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【CEDEC 2010】作りたいゲームを作るための作戦~サイバーコネクトツー松山氏

ゲームビジネス 開発

【CEDEC 2010】作りたいゲームを作るための作戦~サイバーコネクトツー松山氏
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常に挑戦的なゲーム作りに邁進するサイバーコネクトツー。福岡から今年は東京にもスタジオを構える、元気のある開発会社です。その松山洋社長は「小さくまとまるな! ~構想10年、制作3年 サイバーコネクトツー流NDSビッグタイトルのつくりかた~」と題した講演で同社が取り組む最新作について語りました。ゲーム不況が叫ばれる中、どのようにすれば作りたいゲームを開発できるのか。勇気を与える内容となりました。

Soratorobo構想10年、開発3年充実の内容を実現


「最近『企画が通らない』『どんなゲームを作っていいのか分からない』という残念な声が聞こえます。『Soratorobo~それからCODA』はずっと作りたいと願い、構想10年開発に3年をかけたタイトルです。DSで3年という期間は異例です。でも作りたいものは工夫すれば作れるんです。その全容を明らかにします」松山氏は冒頭このように語ります。トレイラーが上映されますが、壮大な世界観、イラスト点数、作り込み、どれをとっても大作として相応しいものです。

しかし、そうしたゲーム作りが出来ているのは何も特別な事ではないと松山氏は言います。「バンダイナムコゲームズと凄く仲がいいわけでも、『NARUTO』や『.hack』が儲かっているからでも、時間がかかり結果として大作になったわけでもありません」

事の始まりは1996年のサイバーコネクト(サイバーコネクトツーの前身)設立に遡ります。第一作はバンダイからプレイステーションで発売された『テイルコンチェルト』です。松山氏はグラフィックデザイナーとして参加した第一作目は同時の潮流を反映したフルポリゴンの箱庭アクションゲーム。バンダイ社内でも大きな評価を受けたものの、販売本数的には損益分岐点を超える程度にしかならず「期待はずれ」という評価を下されてしまいます。

テイルコンチェルトバンダイ絶賛、、、しかし悪いイメージがついてしまう


その後もバンダイとの良好な関係は続き、『.hack』や『NARUTO』を開発する事になりますが、社内では『テイルコンチェルト』の続編を作りたいという声があったそうです。社内で開催されているゲームアイデアコンテストでは2003年と2004年に続編の企画が1位になっています。その企画を1999年には持ち込んだそうですが、「目の前で企画書をゴミ箱で捨てられる」ような扱いを受けたそうです(ちなみにそのバンダイのプロデューサーは内山大輔氏だそう)。

諦めきれない松山氏、磯部孝幸氏、夏村久司氏の3人は『テイルコンチェルト』が失敗した理由の原因分析からスタートし、他のゲームを開発する業務と並行して新作のシナリオや2000枚以上にものぼる世界観資料を制作していったそうです。続編では企画が通る見込みはないため、『Soratorobo~それからCODA』という新作と生まれ変わります。

作られた膨大な資料を持ち、ナムコと合併したバンダイナムコゲームズに持ち込みます。ここでサイバーコネクトツー流のプレゼンとして、通常の企画書だけでなく、設定資料集もきちんと製本して持ち込むそうです。製本されたものは非常に立派なものです。「プロデューサーさんは忙しいんです。プロモーションや営業との打ち合わせもあるし、提案も沢山受けています。その中で目立つには戦略が必要です。単なる企画書はファイルに仕舞われてしまうかもしれませんが、上等な資料集を渡すことで、忘れ去られることなく机に置いてもらえます。そうすれば目にする機会も増えますし、同僚の方にも"おやっ"と思ってもらえるんです」

続編の企画を持ち込むも通らずしかし諦めない反省し、企画を修正

3名でつくりはじめるDSに向けて新作を市場にないビッグタイトルを

複数社に打診企画書と設定資料を提出求人広告も撃つ


企画書を複数社に打診する一方、契約が決まる前から週刊ファミ通に新作ゲームの求人広告を掲載。これも本気さを見せるための作戦の一つだったそうです。

このような努力の結果、『Soratorobo~それからCODA』では当初はバンダイナムコ以外の会社が興味を見せていたそうですが、副社長の鵜之澤伸氏から「うちでやらせて欲しい」という電話があり、契約が決定したそうです。

少人数での開発著名なクリエイターを起用モニター会も実施


こうして契約は決定しますが、次は3年にも渡る開発期間へと続きます。この開発期間は当初から想定されていたものだそうです。

3年間必要な理由として大きいのは著名なクリエイターを起用したということだそうです。キャラクターデザインの結城信輝氏、メカニックイラストは谷口欣孝氏、OPアニメはマッドハウスが担当します。いずれも売れっ子で、納品までには時間がかかることが想定されます。そこで3年間という期間が生きます。

長い期間とは言え、体制は少人数で、段階に応じて増減させながらの開発となりました。3人からスタートし、最大でも16人体制です。現在デバッグに入っていますが、僅か3人となっているそうです。

最後に、長い開発期間を活かして、途中途中でモニター会を実施。子供たちに開発中のROMをプレイしてもらい、コンセプトや方向性の確認、問題点の発見、バランス調整に活用しているそうです。これまでに8回実施しているとか。

そうして完成した『Soratorobo~それからCODA』は大作として申し分のない充実の内容となっています。松山社長は締めくくりの言葉として「やりたいことがあって、作りたいものがあるなら、覚悟と作戦が必要」と語っていました。「サイバーコネクトツーは何も隠すつもりはないし、むしろライバルを育てようと思っている」と会場に向けエールを贈りました。
《土本学》

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