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「モンハンの入口に」・・・『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』インタビュー

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2010年8月26日(木) 20時15分
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モンハン日記 ぽかぽかアイルー村
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モンハン日記 ぽかぽかアイルー村
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モンハン日記 ぽかぽかアイルー村

「モンスターハンター」で可愛らしい外見で狩りや生活を楽しませてくれるアイルー。そんなアイルーが主人公のゲームがPSP『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』(以下『アイルー村』)です。本日無事発売を迎えましたが、インサイドでは本作を手掛けたカプコンの北林達也プロデューサーと小嶋慎太郎アシスタントプロデューサーに直撃。開発の経緯や込めた想いを聞きました。


■入り口としての『アイルー村』

―――お二人はこれまでどんなタイトルに携わってこられたのでしょうか?

北林:私はプログラマーとして、『ブレス オブ ファイア』シリーズのプログラムを『同2』から『同4』まで担当しました。その後『バイオハザード0』を経て『ロックマンX コマンドミッション』からプロデューサーをしています。『モンスターハンター』シリーズにはWii版の『モンスターハンターG』から関わりました。

小嶋:私は元々は企画の人間でして、最初は『ストリートファイターZERO3』に関わりまして、その後は通信ゲームなどを担当しつつ、免許は持ってないのですが『アウトモデリスタ』というレースゲームを作りました(笑)。『モンスターハンター』シリーズでは初代からモンスター担当として関わり、『モンスターハンター3(トライ)』からは企画面のアシスタントプロデューサーになりました。

―――『アイルー村』はどんなゲームなのでしょうか?

北林:『モンスターハンター』シリーズとしては初のスピンオフタイトルとなります。「シリーズで人気のアイルーを主役にして楽しいタイトルを作る」というところから企画がスタートしています。アイルーたちと仲良くなることで村が発展し、新しいアイルーがやってくる・・・というゲームになっています。


―――どうしてアイルーたちを主人公にしたゲームを作ろうと考えられたんですか?

北林:初代から6年、『モンスターハンター』というゲームは世界観を丁寧に育ててきました。ゲームの中も外の展開でも、使う言葉の一つ一つにも気を配って『モンスターハンター』という世界を作ってきました。そうして、多くの人に支持されるゲームになりました。そこで更にその世界を広げること、今までシリーズに親しんでこなかったユーザーさんにも楽しめるような展開として、スピンオフ作品が企画されたんです。

シリーズを通してアイルーはプレイヤーと仲良くなっていきました。最初はモンスターだったのが、町で手伝いをして、プレイヤーと一緒に狩りに行くようになったんです。ユーザーさんと親密になったところで、このキャラクターを活かして何かしたいという発想でスタートしたのがこの企画です。

かわいいキャラクターなので幅広い年齢層や女性にも遊んでもらえると思います。また、今までシリーズをプレイしていない方が『モンスターハンター』を遊ぶ入り口としても期待しています。もちろん、コアなファンの方にも納得いただけるようなものにしています。

■「これ、ちゃんと『モンハン』だよね」-スピンオフとして外せない部分

―――シリーズのファンにも楽しめるものになっていると

小嶋:もちろん『モンスターハンター』のエッセンスは忘れていません。アイルーが人間にあこがれてギルドを作ってみたり、クエストに出たり・・・。具体的に発表されている要素以外でも、実際に触って頂ければ、確かに『モンスターハンター』を遊んでいる感覚があると思います。

体験会で遊んでいたユーザーさんからも「これ、ちゃんと『モンスターハンター』だよね」という声をいただいています。ここは僕らもこだわっていたところです。かわいいだけのゲームだと『モンスターハンター』じゃないですから。

北林:本編への誘導のためだけに作ったタイトルではなく、『アイルー村』単独で成立する。アイルー人気にあやかって、よくあるシステムにキャラクターだけを乗せたものを作るつもりはありませんでした。それでいて、きちんと『モンスターハンター』であり、ファンの人にも喜んで貰えるゲームです。

小嶋:『モンスターハンター』ファンがにやりとするキャラクターたちもちゃんと登場します。プーギーや他のシリーズに登場していたアイルーたちや、トレニャー、教官、ネコバァ、ちびクックなどですね。複数のプーギーが一緒に登場するのもシリーズ初なんですよ。

北林:ユーザーさんから応募していただいたオリジナルアイルーである「占いアイルー」も登場します。「モンハン占い」でお馴染みのゲッターズ飯田さんに担当していただき、単体で占いゲームとして成り立つくらいのボリュームの占いが収録されています。相性占いなんかは盛り上がりそうですね。

―――アイルーたちとのコミュニケーションを楽しむという現在の形にはスムーズに行き着いたんですか?

小嶋:「アイルーたちだけの生活」という部分をゲームの中に盛り込みたかったので、そこはスムーズでしたね。ほかにもいくつか案があった中から絞り込みました。

―――ほかにはどんなアイデアがあったんですか?

北林:リアルなアイルーたちがクエストにいく・・・みたいな、そのままの案もありましたが、没になりました。ユーザーの間口を広げるものでないと、作る意味がないので。

『モンスターハンター』は幅広い人に遊んでいただいています。しかし、「怖いんじゃないの?」「難しいのでは?」などの理由からまだ遊んでいただいていない層がいるのも事実です。そういう人たちにきっかけにしていただけるようなものでないと。『アイルー村』を遊んでもらって『モンスターハンター』本編に行くような感じですね。

■アイルー人気が後押し

―――アイルーの人気はやはり大きなものがありますか?

北林:「モンハン部」などで行ったアンケートなどでも人気を集めています。今回『アイルー村』のアイデアに踏み込めたのは『モンスターハンターポータブル 2ndG』からプレイヤーに同行するようになったオトモアイルーの存在が大きいんです。うまくやったと思ったらポカをするような憎めないドタバタ感が人気だったんです。

小嶋:モスなんかではまだ荷が重いですね(笑)。

北林:それならプーギーを出せ、という話になりますよね(笑)。

小嶋:100年くらい後には『モス村』が出ているかもしれない。ほしい人は『アイルー村』を買ってアンケートを送っていただければ(笑)。


―――アイルーを主人公にする難しさなどありましたか?

小嶋:本編のアイルーキッチンでの会話のイメージなど、個性豊かな部分は『アイルー村』にも持ってきました。難しいという部分はなかったですね。

―――大勢で狩りに行く絵は可愛らしいですよね

北林:マルチプレイだと最大24匹ですね。

小嶋:かなり画面はカオスになりますね。「アイルー24」くらいな。集団萌えってあると思うんです(笑)。

北林:48体出せばよかったね(笑)。アイルーを集めて楽しい、という部分を一番やりたかったんです。

小嶋:単に集めるだけでなく、アイルーたちとコミュニケーションをとるという部分ですね。『モンスターハンター』は誰かと協力している感じが強いゲームなので、『アイルー村』にもそのエッセンスを入れたかったんです。

―――『アイルー村』を持っている友達とはどんな風に遊べるんですか?

北林:友達の村に遊びに行けます。アイテムをあげたり、村を紹介する「村パンフレット」を交換したり、4人でプーギーに乗ってレースを楽しんだりできるんです。もちろん一緒にクエストに出られます。一人あたり最大6匹のアイルーを連れて行けますので、回復主体のチームをつくったり、攻撃に回ったりといった役割分担をしても良いでしょう。アイルーたちのやる気を表す「やる気ゲージ」は4人で共有ですので、お互いに声を掛け合っていくといいでしょうね。
また、アイルーは新しいものを見るとカルチャーショックを受けて「カルチャーショックポイント」が貯まります。これを使うと、村の中に流行を作り出せるんです。

踊りを流行させると村中のアイルーが踊ったりしますので、他の村での流行を見るのも楽しみの一つになるでしょうね。

■「中途半端なものは出せない」「ブレないジャッジ」コラボレーション秘話

―――すでにいろいろなコラボレーションがスタートしていますね。

北林:キデイランド原宿店でアイルーグッズの専門店「モンハンSHOP ぽかぽかアイルー村」を開いているんですが、『モンスターハンター』を知らない方からも反応は良好で、手応えを感じています。

小嶋:この夏をアイルー祭りにしたかったんです。アニメ「モンハン日記 ぎりぎりアイルー村☆アイルー危機一髪☆」やモンハンラジオ 2nd、「モンハン部」で農場を作るという“アイルー農場プロジェクト”や海の家などですね。すっかり日焼けして色が黒くなりました。

北林:アイルーを「みんなのアイルー」にしたかったんです。

―――キティちゃんとのコラボレーションも行われていますね。

小嶋:猫つながりのコラボレーションがほしいということで、駄目元で打診してみました。アイルーがかわいらしいので面白いんじゃないかと思っていただけたようです。

北林:キティちゃんのデザイナーの方に直々にコラボレーション用のデザインを見ていただいています。こちらが遠慮したデザインを出したら、大胆な形に修正していただいたりと刺激になりました。

小嶋:ギルドもキティちゃんデザインになりますよ。本日(8月26日)から配信しているダウンロードクエストをクリアすれば、天幕がキティちゃんの顔を象ったものになるだけでなく、装飾品でコラボぬいぐるみを設置することもできます。是非挑戦してください。

―――コラボレーションのデザインもかなり大胆ですよね。

小嶋:中途半端なデザインを提出するわけにはいかないので、大胆なものと遠慮気味のものを提案したのですが、大胆な方にOKをいただけました。ただ、サンリオさんからは「キティちゃんの顔のバランスには考慮してほしい」という希望があったので、微調整を繰り返しました。

―――刺激になるところはありましたか?

小嶋:キャラクター性のジャッジがすごく的確で大胆なんです。「せっかくなんだから、ここまでやってしまっていいだろう」という。

北林:「ここの部分さえ押さえていれば、キティちゃんとして認める」という指摘の的確さですね。コンテンツを取り扱う会社のパワーを感じました。キャラクターとして大切にしているブレない軸があるからこそ、いろいろな展開ができる。デザイン面だけでなく、物事のやり方や売り込み方といった方面でもすごく刺激になりました。

小嶋:キティちゃんギルドは正直いって駄目元だったんです。ギルドの天幕はキティちゃんの顔を模しているんですが、口のところに入り口をつける必要がある。ところが、キティちゃんのイラストには「口」という表現がないんですよね。

入り口をいかにキティちゃんの口っぽくするかというところで悩んでいたら「扉をハート型にしたら?」というアドバイスがあったんです。口に見えないんじゃないですか?と聞いたら「だって、扉なんでしょう?扉をかわいくすればいい」と。


―――思った以上にあちらの懐が深かった?

北林:だからといって、おもしろさだけを追求した無茶なデザインを提出したわけではありません。こちらとしてもかなりキティちゃんのことを調べた上で臨んで、サンリオさんからも「ちゃんと勉強していますね」という反応がありました。なんとなく出したのでは「全然駄目」というジャッジを下されたでしょうから、こちらも必死です。

―――モンスターもかわいらしいですね。

小嶋:モンスターの一番特徴的な特性をデフォルメしました。リオレウスならりりしさ、イャンクックならとぼけたところ、ブルファンゴなら突進……といった部分ですね。

北林:『アイルー村』では、『モンスターハンター』シリーズのモンスターデザインをした担当者がバランス調整などを手がけていますので、かわいくてもしっかり『モンスターハンター』のモンスターになっています。

バランス調整は大事です。同じモンスターを描いても、重心や足のバランス、大きさなどの調整で重量感が出たり、軽いものになってしまったりしますから。

■SEAMOやSIDが育てたアイルーがゲームに登場!

―――セーブデータの連動などについて教えてください。

小嶋:『モンスターハンターポータブル 2ndG』からはオトモアイルーを連れてくることができます。旦那さんであるハンターについていろいろ話してくれるだけでなく、クエストにも連れて行けます。アイルーの村より人間の村の方が文化レベルが高いので、ちょっとしたシティーボーイですね。

北林:狩りも得意なので、頼りになる相棒になりますよ。

小嶋:『アイルー村』を遊んでいると、『モンスターハンターポータブル 3rd』でオトモアイルーに着せられる装備が増えます。『アイルー村』のアイルーのビジュアルを模したものですね。

最初は「どんぐりメイル」(『モンスターハンターポータブル 2ndG』に登場するオトモアイルーの初期装備のひとつ)の『アイルー村』バージョンという案もあったんですが、「どうせやるならフルスイングで」というのが『モンハン』シリーズを通してのコンセプトなので、かなり思い切ったデザインになりました。

北林:また、『アイルー村』の方では、オトモアイルーをダウンロードできるようになります。SEAMOやSIDといった有名人が『モンスターハンターポータブル 2ndG』で育てたオトモアイルーを『アイルー村』へ呼べるんです。もしかすると、彼らがどんな装備でプレイしているのか……といったことが分かるかもしれませんね。

■「ゲームがあまり得意でない方も遊んでほしい」

―――では最後に『アイルー村』が気になっているユーザーさんにメッセージをお願いします。

小嶋:猫好きにはたまらないソフトです。仲間が増えるほど深みが増すので、アイルーを集めるのが楽しくなります。いろんなアイルーを集めて楽しんでほしいです。

北林:これまでは遊べない方もおられたかと思うんですが、『アイルー村』は全年齢向けとなっています。価格も3990円(税込)とお手頃ですし、ゲームがあまり得意でない方も遊べるようになっていますので、ここでアイルーを大好きになって、『モンスターハンター』の世界に触れていただければうれしいです。シリーズファンの方は、最後に仲間になるアイルーに期待していただければと思います。

―――本日はありがとうございました。

「単に人気のキャラクターを乗せたゲームでは駄目」「一本のゲームとして成立しつつ『モンハン』の入り口になるようなソフト」「アイルーを「みんなのアイルー」にする」・・・今回のインタビューからは『アイルー村』が様々なこだわりの元に作られたことが分かりました。

果たして『アイルー村』はこれらの条件をクリアしたものになっているのか。それは読者の皆さんがご自身の目で確かめてみてください。



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(Article written by 水口真)
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