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新春カプコンプロデューサー対談 川田将央×新妻良太 (前編) カプコンはやっぱりゲームが好き

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新春カプコンプロデューサー対談 川田将央×新妻良太
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『バイオハザード/ダークサイト・クロニクルズ』(ダークサイド)の川田将央プロデューサー(川田P)と、『TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS』(TCUA)の新妻良太プロデューサー(新妻P)。カプコンの人気タイトルを牽引する二人のプロデューサーは、ふだん何を考えて、どんな仕事ぶりなのでしょうか? 一度話し始めると止まらない二人だけに、対談はあちらこちらに脱線しまくり。はたして2010年新春特別対談の行く末はいかに? インサイド編集長の土本が伺いました。

新妻プロデューサー(左)、川田プロデューサー(右)

新妻氏の手がける『TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS』川田氏の手がける『バイオハザード/ダークサイド・クロニクルズ』


―――よろしくお願いします。はじめに昨年をふりかえっていただけますか?

川田:あっという間に1年が終わった感じですね。年々時間が過ぎていくのが早くなっている感じです。

新妻:僕も同じです。「もうちょっと大きい仕事をしない?」っていわれて、2年前に大阪本社に転勤してきたんですが、1年目はもう無我夢中で終わって、2年目の去年はだんだん落ち着いてきて、周囲が見えてきて、より大変なことがわかった。だからますます時間の流れが速かったですね。

―――お二人って、普段はどういう仲なんですか?

川田:フロアでは背中合わせに座っているんです。だから何気に一番、話をする仲かもしれませんね。

新妻:他社はどうかわかりませんけど、カプコンのプロデューサー陣って、わりと個人経営みたいなところがあって、さらに個々の忙しさもあいまって、あまり話せなかったりするんですけど、席が近いから、わりと一緒にだべってます。それに川田Pは先輩で、同じWiiのタイトルをやらせていただいたので、いろいろ仕事上でも教えてもらったり。海外出張も2人で行くことが多かったりして。

―――お互いに接点が多いんですね。

新妻氏
新妻:ただ、性格は似てないんですよ。僕はなんでも几帳面な方で、神経質すぎるところがあるんです。たとえば海外出張で空港に集合なんて時でも、僕は余裕をみて2時間前には着くように家を出るんですが、待ち合わせ時間になっても川田Pは全然こない。心配になって携帯に電話してみたら「ごめん。いま家を出るところやねん。空港混んでる?」って。それで出発30分前まで来なかったりしますから。(笑)。

川田:今日も会社に着いたのは15分前なんですよ。(笑)

新妻:僕は何かあったら困るんで、前日からきっちりスケジュールを決めてきました(笑)。

―――なはは。

新妻:でも、それで気疲れしちゃうことも多いんですよね。だから一緒に仕事をさせてもらって、そういうおおらかなところは、もっと見習いたいと思っています。

川田:いやいやいや、逆に見習わない方が良いかも。段取りはきっちりできた方が良いと思います。僕はその辺、感覚で動いてしまう方なんで。昔から整理整頓が苦手な子やったんですよ。

―――ふだんは、どんな話をされてらっしゃいますか?

川田:隣の席に『ロストプラネット2』の竹内潤さんとか、『Fate/unlimited cords』『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム』の土屋和弘さんとか、偉い人がいて、ここでは話せない仕事の話をしつつ、じつは他愛もない話ばっかりしています。

新妻:しょうもないゴシップとか、誰それが何を買ったとか、そんなんばっかり(笑)。

川田:やっぱり席の近いもの同士でしかプライベートの話ってしないんですよ。だから余計にそういう機会が多いですね。

―――去年はどんなゲームがおもしろかったですか?

川田:嫁が「レイトン教授」シリーズのファンで、僕も時々わからない問題を一緒に考えたりするんですが、こういうゲームの遊び方っていいですよね。どこかで見た問題が多いんですが、レベルファイブさんのオリジナルソフトとしてすごく昇華されていて、しかも取っ付きが良い。カプコンはあまり得意としない分野だと思うのですが、すごく憧れるソフトですね。

―――嫁マーケティングは重要ですよね。

川田:そうなんですよ。ドラマなどは、結婚して見る機会が増えたんです。夕食時とかほぼ毎日。でも、ほんとに自分のゲームがF1層(マーケティング用語で、20~34歳の女性)と合わないと感じるようになりました(笑)。

新妻:僕はカプコンに入って対戦格闘ゲームしか作ってないんです。それで他社さんの格ゲーも一通り遊ぶんですが、それらをすっとばして(笑)、『NewスーパーマリオブラザーズWii』をずっと遊んでいました。いや、よくできてますよ。ミスしても悔しいから、もう一回プレイって感じになりますし。時には難しすぎてコントローラを投げてしまう時もあるんですが、それでもちょっと時間がたったら、また再チャレンジしてしまう。このバランス感覚って凄いなあと。そのさじ加減って、格ゲーも同じだと思うんですよね。

―――カプコンと言えばグローバル戦略ですが、洋ゲーは遊ばれますか?

川田:勉強のために遊びますよ。たとえば昨年末に出た『Call of Duty:Modern Warfare 2』なんて、全世界で1000万本以上も売れましたし。海外のコンシューマタイトルってパワーがあるな、と感じさせられますよね。

―――確かにあのパワーはすごいですよね。

川田氏
川田:一昔前の洋ゲーって、すごく遊びにくかったし、難しいというイメージがありました。でも最近はとても遊びやすくなりましたね。たとえば『Dead Space』などは、システムがよくできていて、英語がわからなくても感覚的に遊べる。『Gears of War 2』などもそうでしたね。海外のヒットしているゲームには、売れているなりの理由があるわけで。そういう部分はきちんと分析して、もっと自分が作っているゲームにも取り入れていきたいですね。

新妻:僕も洋ゲーはけっこう遊びますが、わりとユーザビリティの面であったり、ストーリー展開で突き放したところがあったりと、遊びにくい点もあるな、と思うんです。つまり良いところもあれば、悪いところもある。作り手としてフラットな目で見ていきたいです。その上で悪いところはまねずに、良いところだけ取り入れたいですね。

―――ちなみに僕がハマったのはDSの『トモダチコレクション』なんです。やっぱり人って寂しいんだなって。

川田:日本では携帯ゲーム機向けのソフトが売れてますよね。

―――僕らも知らず知らずのうちに「日本人」なんでしょうね。「ドラクエ」を遊ぶなら移動時間に携帯ゲーム機でちくちく遊びたいし。でも北米のユーザーなら据え置き型でがっちり遊びたいだろうし。

川田:かといえば、北米では例えばBEST BUYのような小売店でXbox360を持ち運ぶための専用のカバンなども売ってたりして。据え置きでもハードを持ち寄って遊んでいるのかなと。

新妻:やっぱり文化的な違いなんでしょうね。善し悪しはさておき、海外ではネクタイを締めた大人が、公衆の場で携帯ゲーム機をカチカチ遊んでいるのは、あまりよく見られない風潮があるので。僕らは全然気にしないんですけどね。通勤も日本では電車が多いですけど、北米ではマイカー通勤が一般的で、ゲームを遊んでいる暇がない。だから、それほど携帯ゲーム機に対する「どこでも遊べる」メリットがないのかもしれない。

川田:だからiPhoneのゲームが売れているのかもしれないね。あれだと周りからゲームを遊んでいると思われないから(笑)。

―――ちなみにiPhoneゲームや、mixiアプリなどのゲームは遊ばれていますか?

川田:僕はあまり遊ばないけど、シンプルでツボをついたゲームが多くて、だから受けているんだなと思います。

―――そうですね。

川田:ただ、これは個人的な意見ですけど、そういうゲームが非常に安価で遊べてしまうのは、コンシューマ市場からすれば驚異ですよ。だから携帯ゲームでユーザー層が広がるのはすごくいいことなんですが、僕としては何とかして、そういうユーザーさんにもう一度コンシューマゲームに戻ってきてもらえるように、がんばりたいですね。

新妻:すいません。さっき携帯ゲーム機文化について偉そうに語っておいてアレですが、僕は携帯電話って「通話とメールができればいい」だけの人なんです。ついでにサイズも小さい方がいい。実はカプコンってプロデューサークラスには、勉強のためにiPhoneを持つことが奨励されているんです。だから僕も勉強不足ですね。mixiやブログとかもテンパってる時に愚痴とか内情とかを全部書いてしまいそうで、意図的にやってないんです。

―――わかります。

新妻:ただ、そんな僕でさえ、いろんなことが聞こえてくるので、よっぽどなんだろうなあと。逆に遊ばれてますか?

―――mixiアプリは「牧場はじめませんか?」などと、いろんなお誘いがくるので、ちまちまやっています。iPhoneゲームもパズルゲームとか、軽いものが中心ですね。

新妻:ほかにはケータイゲームとか。あれもiPhoneゲームと同じで、ちょっとした待ち時間に暇をつぶすもの、という位置づけですよね。だからやっぱり日本の文化にあっているんでしょうね。

―――話は変わりますが、ゲーム業界のプロデューサーさんって、いろんなスタイルがありますよね。

川田:そうですね。

―――朝は何時にいらっしゃるんですか?

川田:朝9時出社です。

新妻:カプコンは早いんですよ。プロデューサーは朝9時です。ちなみにグループ会社にカプコンアメリカとカプコンヨーロッパがあって、テレビ会議などもあるのですが、時差の関係でそんなときはたいてい朝8時からなんですね。だから、その日は間に合うように朝7時半にはきてたりします。

川田:東京の会社さんは、朝が遅いみたいですね。

―――午前10時出社とか、11時とか。昼食の時間もバラバラだったりしますね。

新妻:僕らは朝9時にくるので、よその会社さんに電話してもつながらないし、逆に余計な電話もかかってこないので、そのぶん集中して自分の仕事ができるんですよ。朝イチの仕事をすませると、よその会社さんが始まるので、そこから連絡を入れたりして。だから朝9時出社っていいですよ。ただ、それで夜が早いかというと、全然そんなことはないんですけど(笑)。ひどいときは終電とか、始発とか。

―――あらら、そうなんですか。

川田:偉い人たちは、もっと早かったりします。午前8時出社とか。じゃないと海外とのミーティングなどができないんですよ。ほんと、偉い人はよく働く会社だなと思います。

―――ゆっくりゲームを遊ぶ暇もなさそうですね。

川田:そうなんですよ。だから今年は「ゲームを毎日、最低1時間は遊ぶ時間を作ろう」という目標を作りました。会社の机にテレビとか設置して、はやりのゲームくらいは、ひと通り目を通そうと。そのはずだったんですけど、忙しくて、ずるずると。

―――大人版「ゲームは1日1時間」ですね。ゲーム業界って偉くなると、ゲームを遊ばない人が増えるんですけど、すばらしいですね。

川田:実際、時間がとれなくなるし、それが言い訳になる。ぼくも年々ゲームを遊んでいる時間は減っています。だからこそ意識してゲームを遊ぶ時間を作らないと、いつか本当にできなくなるんですよね。それは恐いです。

―――それでもカプコンさんって、偉くなってもゲームを遊び続ける方が多い気がします。

新妻:それこそ竹内Pなんかは、けっこう遊ぶ方ですね。

川田:業務命令で、みんな『Call of Duty:Modern Warfare 2』を遊べって言ってましたよね。それも海外版が発売された時に。

新妻:海外版ではPC向けの最上位バージョンに、ナイトビジョン(暗視鏡)がおまけでついてくるじゃないですか?それを仕事の後で、みんなで集まってつけて遊んで、部長自ら子供みたいにはしゃいでましたね(笑)。ついでに、よっぽどゲームが売れないと、こういうのって特典としてつけられないよね、なんて話をしたり。(笑)

川田:社内のとあるチームだと、格ゲーがやたら盛り上がった時期があったり。バグチェックを行っている部署は仕事中にゲームのチェックをさんざんして休み時間にプライベートでゲームして家に帰ってネットゲーをする猛者ばかりで、頭が上がりません。(笑)

新妻:けっこう会社中でそんなところがありますね。MTフレームワークというゲームエンジンを作った、技術研究班という部署があるんですが、そこに60インチくらいの巨大なモニタがあるんです。この前、昼休みにのぞいたら、みんなして『マリオカートWii』で遊んでましたよ。

―――でも、昼休みにみんなで遊ぶゲームって、すごく重要ですよね。そこで上限関係や部署の垣根がとれて、コミュニケーションができたりする。

新妻:ほんとにゲームがコミュニケーション・ツールとして機能していますね。僕もそう思って格ゲーを作っているし、はからずしも実践している。

―――ははは。

新妻:カプコンの人って、作る人も売る人も宣伝する人も、なぜかゲーム好きが集まっているのかもしれないですね。プロモーションチームでも、東京支店に仕事できたとき、みんなで「モンハン」を遊んでたりしますから。そういうのがあって、会社的に同じ方向を向いている気がします。

―――ちなみに、夜はどのへんに飲みに行かれますか?

川田:近所の居酒屋とか。

―――酔虎伝(関西のチェーン系居酒屋)とか?

川田:そういうレベルです。全然、普通ですよ。もちろん仕事の取引先などで、おつきあいで飲む場合はまた違いますが、基本的にはざっくばらんに、安いところで。

新妻:でも、そういう時って本音が言えたりしますよね。あいつの仕事は納得できないとか、おまえの仕事はいけてないとか、そういう潤滑油がないと、なかなかいえないことですよね。


(後編は1月21日に掲載されます。後編ではカプコンのプロデューサーの仕事術などに迫ります。お楽しみに)
《小野憲史》

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