『Son of the Dragon』は、ニンテンドーDS用FPS(一人称シューティング)『DEMENTIUM 閉鎖病棟』、『Moon』で知られるRenegade Kidが開発していたWii用ゲーム。ドラキュラ伝説をベースとしたハードコア層向けの内容でしたが、パブリッシャーによって開発中止の判断が下されたとのことです。
Renegade Kid のJools Watsham氏は、海外ゲームサイトGAMERVISIONに対し「オリジナルのプロジェクトでありWii及びDSの両機種用に開発されていたが、Wiiでのハードコア層向けタイトルの売れ行きが理由となって開発中止となった」とコメントしています。
GAMERVISIONは「Wiiでハードコア層向けタイトルが売れていない、というのは誇張ではない。『The Conduit』の売り上げは30万本以下だし、『ザ ハウス オブ ザ デッド: オーバーキル』の出荷数は40万本、『NO MORE HEROES』は45万本。一方『Big Beach Sports』は120万本、『Game Party』は200万本、『Wii Music』は260万本を売っている。『Game Party』のMetacriticスコアは25に過ぎないが、ここ2年でリリースされたM指定ゲームのどれよりも多く売れている」と売上本数から現状を総括。
「誰が悪いかというともちろん我々。Wiiで偉大なゲームが無視されるのはいつもシステムがなくてリモコンを振るだけのゲームじゃないかと危惧することが理由。デベロッパーがXbox360やプレイステーション3でグラフィックを最適化するのに数年かかったように、モーションコントロールのゲームが理解されるのにも時間がかかる。我々は最も偉大な世代のゲームが誤解と恐れによって売れないのを目撃している」
「Wiiが発売された時の興奮はデベロッパーをして広い客層にゲームを広めるチャンスだと考えさせたが、ゲームプレイヤーが明白な革新のヒントを無視してほとんど変わらないグラフィックの方を支持した時にゲーム産業が停滞したのだ」とユーザー側にモーションコントロールに対する“誤解と恐れ”があることもハードコア層向けタイトルが売れない理由の一つであるとしています。
ハードコア層向けタイトルとモーションコントロールの組み合わせに原因があるのか、それともWiiではライト系タイトルのみが求められているということなのか、ゲーム業界の今後を占う意味でも興味深いテーマといえるでしょう。
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