人生にゲームをプラスするメディア

『デッドスペース エクストラクション』-ジャンルは変われど、確かに抽出されたエッセンス

任天堂 Wii

デッドスペース エクストラクション
  • デッドスペース エクストラクション
  • デッドスペース エクストラクション
  • デッドスペース エクストラクション
  • デッドスペース エクストラクション
  • デッドスペース エクストラクション
  • デッドスペース エクストラクション
  • デッドスペース エクストラクション
  • デッドスペース エクストラクション
『デッドスペース エクストラクション』(以下『エクストラクション』)は、大ヒットとなったSFホラーアドベンチャー『デッドスペース』(DEAD SPACE)の前日譚。

スペースコロニー「イージスVII」で採掘作業を行っていた鉱石採掘船「USGイシムラ」に謎の病原菌が発生。乗組員が大混乱に陥る中、主人公達は決死の脱出を試みます。


前作は三人称視点のアクションアドベンチャーですが、『エクストラクション』は主観視点のガンシューティング。ジャンルこそ変更されていますが、悪夢のようなクリーチャーたち、閉鎖空間の恐怖、謎めいたストーリー、部位欠損、武器としての工具、ゼロGジャンプなどなど前作のエッセンスを余すことなく受け継いでいます。

前作は日本発売が見送られましたが、『エクストラクション』は北米とほぼ同時に発売。ストーリーも重要な『デッドスペース』シリーズを日本語で楽しめるということで、EAの英断にまずは拍手を贈りたいところです。

前作と同様に「USGイシムラ」が舞台となるだけに、ファンとしてはニヤリとさせられるシチュエーションや地形が多数登場。前作を遊んでいればより楽しめますが(特にエンディング直前は懐かしい場所が目白押し)、前日譚という性質上『エクストラクション』からのプレイでも大丈夫です。

『デッドスペース』シリーズはストーリー面も魅力ですので、『エクストラクション』の物語に関するネタバレはなしの方向で話を進めていこうと思います。『デッドスペース』ファンが『エクストラクション』を買うべきか否かの参考にして頂ければ幸いです。

■緊張感

ストーリー部分と戦闘部分が分けられているのがこれまでのガンシューティング。ストーリーはデモが語り、戦闘は実際のプレイで行う方式です。ストーリーを語るデモ中は敵には決して襲われないという不文律がありました。

しかし、『エクストラクション』には基本的にデモが存在せず、ストーリー展開と戦闘に明確な切れ目がありません。つまり、いつクリーチャーに襲われるか分からないのです。この緊張感は『デッドスペース』のそれに近いものがあります。ガンシューティングの不文律を敢えて廃することで、ジャンルは違いながらも同質のスリルを生み出しているのです。

移動は自動で行われるのですが、ドアの開閉や機械類の制御などプレイヤーが操作しなければならない部分がふんだんに盛り込まれています。Aボタンは『デッドスペース』のアクションボタンとTKを組み合わせたものとなっており、ドアを開いたりエレベーターを動かしたり、落ちているアイテムを引き寄せたりすることが可能。移動中も意外な場所にアイテムが隠されているので気が抜けません。そのため、移動に関してもガンシューティングというよりは『デッドスペース』本編に近い感覚で楽しめるのです。

■部位欠損

部位欠損とは、敵の手足を打つとこれが砕けるというもの。『デッドスペース』の戦闘システムの根幹であり、これなくしてはシリーズを語れません。『デッドスペース』の部位欠損は単なる残虐描写ではなく戦術性と深く結びついています。足を砕けば敵の動きが止まり、腕を砕けば腕を使った攻撃が不可能になり、頭を撃てば大ダメージを与えられます。足を撃って動きを止め、頭を狙ってトドメをさすというスタイルは『デッドスペース』の基本。部位欠損のシステムにより、『デッドスペース』の戦いは奥深いものとなったのです。

部位欠損は戦術性と同時に残虐性を与えました。『デッドスペース』は日本や中国と言った残虐描写に厳しい国では発売されていませんが、部位欠損が問題となったであろうことは想像に難くありません。


部位欠損がゲームと切り離せないがゆえに『エクストラクション』の日本発売を危ぶむ声も多かったのですが、日本版でもクリーチャーの欠損描写が存在しています。手足が砕けても這いずりながら迫ってくるクリーチャー。これこそが『デッドスペース』シリーズの恐怖です。『エクストラクション』を日本で発売しないことが最も簡単な選択だったはずですが、諸問題をクリアした上で発売に漕ぎつけたEAの姿勢は評価されるべきものではないでしょうか。

■無骨なる武器たち

『デッドスペース』シリーズの舞台は鉱石採掘船「USGイシムラ」。ゆえに工具を武器として転用し、クリーチャーに立ち向かうことになります。「リッパー」は『デッドスペース』を代表する武器。打ち出したノコギリをWiiリモコンで動かすことでクリーチャーの手足を切断できます。「火炎放射器」は広範囲の敵を焼き払い、「ラインガン」は幅広いビームで集団の敵を一掃できます。パワーアップはツリー式ではなくなったものの、いずれの武器も『デッドスペース』同様の操作感で使えます。

新兵器も3種類登場しています。うち2種が工具である辺り、『デッドスペース』ファンも安心できるのではないでしょうか。「リベットガン」は高速でリベット(鋲)を打ち出す純然たる工具。戦闘だけでなく、バリケードを固定するのに使ったりイベントでも大活躍します。「アーク溶接銃」はありそうでなかった工具。Bボタンを押し続けることで連続してダメージを与えられます。こうした工具類で敵の手足を砕きながら戦う必死の戦い、それが『デッドスペース』のサバイバルなのです。

武器を使い分けて戦う

■アーケードモード

『エクストラクション』最大の新しい試み。ストーリー展開のない、いわゆるガンシューティングモードです。『デッドスペース』の戦闘は戦術性が高いのですが、ホラーアドベンチャーというジャンル上、無制限に戦闘を楽しむことができませんでした。しかしアーケードモードは純粋なガンシューティング。クリーチャーの配置はオリジナルとなっており、ストーリーモードとは異なった戦いが楽しめます。

敵の時間を遅くする「ステイシス」もストーリーモード同様に使用可能。「ステイシス」でクリーチャーの動きを遅くし、その間に手足を狙い撃つ。近寄ってきたクリーチャーを「ステイシス」で制し、その間にリロードや武器の変更を行う。アーケードモードは『デッドスペース』シリーズの戦術性の高さを改めて思い知らせてくれます。

基本の「リベットガン」ともう一種任意の武器を所持してスタート。残り二種の武器がランダムで手に入るというルールによりスコアアタックも面白いものになっています。

戦闘部分をピックアップするというアレンジは『デッドスペース』と同じ開発元Visceral Gamesならではのものといえるのではないでしょうか。

■おわりに

繰り返しになりますが、部位欠損を含む過激な表現がある中で、北米とほぼ同時に完全日本語版が発売されたことはWiiにとっても日本ゲーム界にとっても喜ばしいニュースの一つ。この勢いで前作の日本語版発売も期待したいところです。
《水口真》

任天堂 アクセスランキング

  1. 手のひらサイズの「ファミコン」に名作30本収録!「ニンテンドークラシックミニ ファミコン」発表

    手のひらサイズの「ファミコン」に名作30本収録!「ニンテンドークラシックミニ ファミコン」発表

  2. 3DS『にょきにょき たびだち編』発売日変更、11月16日に前倒し

    3DS『にょきにょき たびだち編』発売日変更、11月16日に前倒し

  3. 【3DS DL販売ランキング】『脱出アドベンチャー 第七の予言』初登場、『不思議の国のラビリンス』や『マーセナリーズサーガ2』などのライドオンジャパンソフトも人気(9/29)

    【3DS DL販売ランキング】『脱出アドベンチャー 第七の予言』初登場、『不思議の国のラビリンス』や『マーセナリーズサーガ2』などのライドオンジャパンソフトも人気(9/29)

  4. 初代『ゼルダの伝説』海外ファンのスピードラン新記録動画、30分29秒でクリア

  5. 『ペーパーマリオ カラースプラッシュ』TVCM公開―撮影の裏側が見えるNGシーンも…

  6. 宮城県、被災地誘客のため『ポケモンGO』予算3000万を計上 ─ イベントや地域限定ポケモンなど

  7. 小型ファミコン「Nintendo Classic Mini: NES」発表!HDMI接続に対応し、30作品を収録

  8. 『ポケモンGO』新Ver情報が公開、捕まえた場所が記録されるほかポケモンGO Plusが「おこう」に対応

  9. 『ポケモン ダイヤモンド・パール』は今日で10周年!ゲームフリークの大森滋が記念イラストを公開

  10. 『モンハン ストーリーズ』の3DSテーマ4種類が配信決定―キュートなアイルーからカッコいいオトモンまで

アクセスランキングをもっと見る

page top