海外ゲームサイト1UPは「Developer Roundtable: The Forthcoming Motion Control War」と題し、モーションコントロールに関する有名デベロッパーの対談記事を発表しています。
出席者は以下の通り。
Eric Nofsinger氏:High Voltage Software:代表作『The Conduit』
Mike Ball氏:Ninja Theory:代表作:『Heavenly Sword』
川田将央氏:カプコン:代表作『バイオハザード ダークサイド・クロニクルズ』
Josh Tsui氏:Robomodo:代表作:『Tony Hawk Ride』
Nofsinger氏は「Project Natalやプレイステーション3のモーションコントロールに対してWiiのアドバンテージは?」という質問に対し「最大のアドバンテージは、Wiiリモコンが実働しているということ。Project Natalやプレイステーション3のワンドが動かないといっている訳ではないが、Wiiならどう扱うべきかが分かっている。新しいハードに時間を使えば、その限界をよりよく理解できる」と回答。
Ball氏は「Wiiは既にモーションコントロールの道を拓き、独特のインターフェースを理解する多くのユーザー層を作り上げた。彼らは安価で楽しいシステムを買っており、そこから遠く離れた所で誘惑するのは難しい」とコメント。
更に川田氏は「Wiiのモーションコントローラーの大きなアドバンテージはWiiを買ったら箱に入っているということであり、別に買いに行く必要はない。それは他のゲーム機に対する、任天堂の本当に大きなアドバンテージだ」と発言。それぞれ既に実働していることと安さが他機種に対するアドバンテージであるとする見解を明らかにしました。
「どの機種で仕事をしたいか?」という質問には、Nofsinger氏は「既に任天堂と仕事をしており、SDK(開発キット)の頻繁なアップデートとデベロッパーとの強い結びつきに感動している。我々はゲーマーなので新しい玩具で遊びたい。Project Natalのいう“新しいなにか”が何を提供するのか探究したい」と一つの機種に専従するつもりはないとする回答を提示。Ball氏は「どの機種も面白い可能性があるが、Project Natalの骨格トラッキングシステムに興味を引かれる。『ギターヒーロー』や『Rock Band』でパフォーマンスを取り込み、友達に送れるならクールだ」とコメント。回答した両者共にProject Natalを挙げているのが興味深いところです。
「モーションコントロールを使用したゲームが複数機種に移植されると思うか?」とはプレイヤーも気になるところですが、Nofsinger氏は「既にそのことを気に留めている。我々のモーションエンジンは、WiiのゲームからソニーやProject Natalに簡単にデータを移植できる」と既にモーションコントロールゲームの多機種展開を意識していることを明らかに。Ball氏は「開発者にとって非常に難しい挑戦」、Tsui氏は「ゲーム開発は高価になっているので機種をまたいで移植されることは疑いない」と回答しており、今後はモーションコントロールを使っている=Wii専用という訳ではなくなるようです。
3つのモーションコントロールにはそれぞれの利点があり、開発者としては既にモーションコントロールゲームを移植する準備を進めているというのが今回の記事で興味深いところ。モーションコントロールによってスタートする次世代機戦争の第二ラウンドは、一筋縄ではいかないものとなりそうです。
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