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アイディアファクトリーが「SpriteStudio」の導入を検討した理由

ウェブテクノロジの提供する、スプライトアニメーションデータ作成ツール「SpriteStudio(スプライトスタジオ)」。

ゲームビジネス 開発
アイディアファクトリーが自社ツールから「SpriteStudio」に乗り換えた理由
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ウェブテクノロジの提供する、スプライトアニメーションデータ作成ツール「SpriteStudio(スプライトスタジオ)」。

簡単な操作でシンプルなアニメーションから、使いこなせば複雑なシーンまで作成することができます。GameBusiness.jpでは、この「SpriteStudio」を新たに導入した、アイディアファクトリーにお邪魔し、どのような経緯で採用に至ったのか、どのような使い方が模索されているのか、お話を聞きました。

―――まずお二人のご担当についてお聞かせ下さい

新井: 二人とも、主にドット絵のキャラクターのモーションやアニメーション全般を担当しています。

小堀: 同じチームなので似たようなタイトルをやってますが、最近だと『アガレスト戦記』『クロスエッジ』といったタイトルを担当しています。

―――「SpriteStudio」の導入以前はどのようなツールで仕事をされていたのでしょうか?

新井: これまでは自社で制作したツールを用いて2Dアニメーションを作成していました。昔から使っていたツールなので、新しいタイトルに取りかかるタイミングで随時メンテナンスをしながらですね。最近は安定していましたが。

―――では「SpriteStudio」に乗り換えるきっかけは何だったのですか?

新井: その自社製のツールというのが、コマアニメーション(パタパタアニメの原理)を使ったものでした。ただ、近年のアニメーションで求められるのは、多くのコマ数というよりは、コマ数を感じさせない、より滑らかな挙動だったりします。それをコマアニメーションで実現するのは非常に難しいんです。その表現を可能にするのがキーフレームアニメーションです。それに即したツールをまた自社で作ることも出来ますが、既に存在するのであればそれを採用するのが良いのではないかということで「SpriteStudio」に辿り着きました。ですので、キーフレームアニメーションがとても魅力的でした。

小堀: 一方で、「SpriteStudio」ではコマアニメーションも作成できます。今までやってきたことも、これから実現したいことも両立できるのは魅力的でしたね。

※キーフレームアニメーション・・・始点と終点の情報を設定して、その間を補間して表現するアニメーション

新井: 弊社のゲームの中には3Dのキャラクターとドットが混在しているゲームがあります。3Dはキーフレームアニメーションで動きますので、同居しているドット絵がパタパタアニメだとギャップがあるんです。それで、どちらもキーフレームアニメーションにしたらどうか? というのが導入のきっかけですね。

―――他にも魅力的だった機能はありますか?

小堀: フラグや数値、座標、コメント等を、キーごとに自由に付加できる「ユーザーデータ」という機能があり、この情報が入っていれば、プログラマさんの方で、再生の仕方を変えたり、同時にエフェクトを再生したり、色々な事に使えるデータを自由に設定できます。広がりがある機能で、一つの決め手になりました。

新井: 今までのツールの場合は、決められたデータ以外の設定は難しかったのですが、ユーザーデータがあるだけで、ラインによって違った使い方ができる可能性があるのが魅力的です。プログラマがデータを受け取り易いので、連携も上手くいきますね。

―――その他に検討された製品はあったのですか?

新井: フリーのプログラマさんが作られているツールも検討しました。ただ、両方を触って比べてみると、使い勝手という面で圧倒的な差がありましたね。また、サポート体制であったり、定期的にバージョンアップが行われているというのも検討材料になりました。

小堀: 導入前にフルトライアル版を触らせていただいたのですが、その際にも、「ああしたい」「こうしたい」という要望を投げると、すぐに実現する方法を教えていただいたり、検討しますという返事を貰えたりしました。バージョンアップされるのも大きいですね。つい最近も気づいたらXML形式でのデータファイルの入出力に対応がされていました(笑)。

※XMLでのデータファイルの入出力・・・7月1日公開のバージョンアップ(Ver.3.10.00)で対応

―――フルトライアル版の印象はいかがでしたか?

小堀: パッと見ただけで、分かりやすい画面構成で、操作が直感的に理解できましたし、チュートリアルやサンプルが充実していて親切でした。新しく「SpriteStudio」に触る人でも導入までの時間は短そうという印象でした。ゲームの開発期間は限られるので、最初のタイミングでロスすると後々まで苦労することになりますので、使い易さは重要だと思います。

―――導入することでワークフローで変化する部分はありそうですか?

新井: 全体的なフローは変わらないかもしれませんが、制作手法が広がったことで、上からの指示で仕事をするだけでなく、新しい作り方の提案をこちらからするような機会は増えるかもしれませんね。

―――何かこういう機能が追加されたら嬉しいというのがあれば教えて下さい

小堀:ワークスペースの中でモーションデータを1、2、3、4と組んでいった時、今は入れ替えが出来なくて、直接テキストで編集するしかないので、そこも中で出来れば嬉しいですね。ワークスペースは使い方によって非常に便利に使えると思ってます(※)。

※モーション順番の入れ替えは、7月16日公開のVer.3.11.00で組み込まれました。

―――他に機能追加の要望があれば教えて下さい

小堀:UVスクロールのような機能はあると便利かもしれません。一定区間のアニメーションはできますが、戻らないので。分割して順次上げていけば疑似的には表現できるのですが(※)。

※こちらは今後、機能追加を検討するとのこと。

―――ありがとうございました。ぜひ良いゲームを期待しています!

(C)IDEA FACTORY
《土本学》
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