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はてなと任天堂がDSiウェア『うごくメモ帳』で協業―発表会より課題を読み解く

18日、任天堂とはてなは、ニンテンドーDSi向けのソフトとこれを利用したウェブサービスについて協業することを発表しました。

任天堂 DS
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18日、任天堂とはてなは、ニンテンドーDSi向けのソフトとこれを利用したウェブサービスについて協業することを発表しました。

はてなと任天堂のによる協業:任天堂 情報開発本部 東京制作部 東京制作第2グループ マネージャー 小泉歓晃氏(左)はてな 代表取締役 近藤淳也氏(右)


任天堂は、ニンテンドーDSiウェアの配信タイトルとして『うごくメモ帳』を12月24日より配信開始します。本ソフトは、本体のタッチパネルやカメラを使った手書きメモソフトで、ペイント系の基本機能のほか、簡単なアニメーションを作成することができるのが特徴になります。

『うごくメモ帳』を2つのプラットフォームで楽しめる「うごくメモ帳」「うごメモシアター」「うごメモはてな」の関係。作品データはすべてはてなのサーバが管理するDSiウェアについての説明。通常はポイントでソフトをダウンロードするが『うごくメモ帳』は無料


DSi上で作成したイラスト(アニメーション=「うごメモ」)をWi-Fi機能を経由して、はてなが運営する専用投稿サイト「うごメモはてな」にアップロードして、他のユーザーと共有することが可能になります。「うごメモはてな」は投稿された画像にコメントやマーキング(はてなスター)をつけることで、ソーシャルメディアとしての機能を持ちます。閲覧は「うごメモシアター」というやはりはてなが運営するサイトから行うことになります(PCとDSiの両方に対応)。『うごくメモ帳』ソフトは24日から正式ダウンロードだが、はてな側のサイトは18日よりプレオープンとなっています。

基本はタッチペンによるお絵かきソフト。文字通りメモとして活用したり、SDカードで共有したり複数の絵を連続表示する機能が、パラパラ漫画を再現する。前のコマをグレー表示で重ねることができ、前のコマのパーツをコピーして利用することも可能


「うごメモ」の作成は、タッチペンで1枚ずつイラストを描くことになりますが、DSiのカメラで撮影した画像を貼り付けることもできます。SDカード経由で別の本体にコピーすることも可能ですが、一般的なjpg画像やデータをSDカード経由で「うごメモ」に取り込むことはできません。BGMや効果音を載せる機能もあり、これによりナレーションや効果音のついた「うごメモ」が作成できます。ただし、DSiのマイクを使って録音するので、別の音源からのデータを貼り付けることはできません。音声トラックは4つまで使用できます。

うごメモシアターは、作成したうごメモを投稿、共有できる。サイトははてなが管理ダウンロードしたうごメモをさらに加工したり追加したりもできる


投稿された「うごメモ」は、サイトで公開するだけでなく、他人の編集を許可することもできます。これによって、漫画の続きを複数の人が作ったり、ニコニコ動画のようなコメントを画像に直接書き込むことも可能です。コメントや人気投票(はてなスター)だけでなく、派生物によるソーシャルグラフ化も考えられているとのこと。ここで気になるのは、「うごメモ」の著作権ですが、CCL(クリエイティブコモンズライセンス)のようなものではなく、「うごメモはてな」の利用規約で対応するとのこと。この利用規約ははてなのその他のサービスのものに準じるとし、基本的な著作権は作成したユーザーに帰属するそうです。

PCからは「うごメモはてな」にアクセスして閲覧投稿者ごとに作品をみたり、コメントをつけたりできる。IDはDSiに登録した名前が利用されるチャネル機能もあるので、カテゴリ分類や将来的にはPRチャネルなどマネタイズへの発展も可能


著作権に関連して違法コンテンツへの対応や不適切コンテンツへの対応があります。DSiは子供のユーザーも多いので対策は必須となります。これについては、投稿された「うごメモ」ごとに通報ボタンを設置し、はてなユーザーのチェック機能を最大限に利用するようです。投稿された「うごメモ」は、まず「うごメモはてな」に公開され、一定期間はてなユーザーのチェックにさらされます。通報などの問題がなければ、「うごメモシアター」にも公開されます。今回の両社の協業は、任天堂がDSiを使った面白いサービスを検討していた中で、ウェブサイトとの連携を考えていたところ、おなじ京都を拠点する企業として、任天堂からはてなに声をかけたとしていますが、このとき、はてなユーザーによるコミュニティの機能やはてな自身が持つCGMサービスのノウハウも重要だったとのこと。

『うごくメモ帳』ソフトのダウンロードは無料で、任天堂によれば、このサービスでの直接のビジネスは考えていないとのこと。あくまで、DSiというプラットフォームを使った新しいサービスを広げ、ユーザーの認知や評価を広げていくためのサービスで、Wi-FiやウェブサービスによってDSiというハードウェアの面白さをみんなに認識してほしいというのが協業の目的としています。これに対してはてな側は、DSiとの連携によってこれまでとはちがった層へアピールし、会員の拡大や広告モデルによる収益を考えている模様。ただ、ユーザー属性を子供などにも広げるということで、本日からはてなのトップページのデザインを変更しています。ブックマークなどにあまり子供向けでないコンテンツが表示されないように、かつ初心者ユーザーにもわかりやすいメニューアイコンなどを配置しています。

現状では、任天堂の製品PRとはてなのビジネス拡大という利害一致で実現した協業ですが、今後は、任天堂としてはプラットフォームとしてのDSiの可能性が広がるかもしれません。明言はされませんでしたが『うごくメモ帳』ソフトを別のポータルサイトにも対応させたり、類似のウェブサービス連動ソフトを広く展開できるかもしれません。はてな側としては、ユーザー層の拡大だけでなく、「うごメモシアター」にPRチャネルやタイアップチャネルを設けるビジネスも考えられなくもないでしょう。

ただ、この場合両社ともに注意しなければならないのは、違法・不適切投稿の管理です。「うごメモ」のフォーマットは任天堂が開発した独自のもので、作成や加工もDSi上でなければできない。音源や画像など標準的なフォーマットのデータを取り込むこともできないようになっているので、まずこの部分で違法コピーによるコンテンツはかなり制御できそうです。「はてな村」とも呼ばれる比較的リテラシーの高いユーザーによるチェックは、いかにも「はてな的」であり、高い効果が期待できそうです。まずは、この形でサービスを開始し、問題点があれば、サービスの年齢制限、フィルタリング機能、監視体制なども含めて随時対応していく方針だとりこと。なお、このサービスのサーバーはすべてはてな側が管理するとしています。
《中尾真二》
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