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Wiiリモコンやバランスボードを使った作品も!「国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト」東京大会

■最新技術からガムテープまで大活躍

ゲームビジネス その他
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■トップで予選を通過したのは意外にも・・・?

それでは、いよいよ予選結果を発表しましょう。厳正な審査の結果、臭いをテーマにした「La flèche de l'odeur」が見事トップで通過しました。高専チームが電通大や東工大といった名門校を抑えた形で、会場からは「おお〜っ!」とどよめきが起こったほどです。開発チームが「僕らは研究者ではないので、パワーポイントの作り方も知らない。先生ありがとうございました!」と半べそで喜びを表現すると、会場から大きな拍手で迎えられました。

また4位には「人間椅子」が入賞し、「今さらながらに、つけたチーム名(変隊)を後悔しています」と会場を沸かせました。ハンズオン部門では、審査員の得票を満遍なく獲得した「アソブレラ」が、ダントツで通過しました。

このほか協賛のフロムソフトウェア賞には「かおさがし」が、明和電気社長賞には「Tearable―手でやぶる」が受賞しました。フロムソフトウェア賞には賞状と記念の楯が、明和電気社長賞には賞状と、好例となっている忘年会参加権が送られました(これには土佐社長とのカラオケ・デュエット権も含まれています)。また特例として、ハンズオン部門から「積み木予報〜バランスどすえ〜」「フシギデスク」が審査員特別賞に輝きました。一般来場者の得票で決まる「未来観客賞」には「かおさがし」が受賞し、人気ぶりを証明しました。

■インスタレーション部門(作品名/大学名/チーム名)
1位 La flèche de l'odeur/金沢工業高等専門学校 小坂研究室/TOM-KIT’s
2位 かおさがし/北陸先端科学技術大学院大学/くろびかり
3位 YOTARO/筑波大学/おたまじゃくし
4位 人間椅子/東京大学/変隊

■ハンズオン部門
アソブレラ/大阪大学大学院 情報科学研究科/アトム

■FROM SOFTWARE賞
かおさがし/北陸先端科学技術大学院大学/くろびかり

■明和電機社長賞
Tearable―手でやぶる/大阪大学大学院 情報科学研究科/MTT

■ハンズオン部門 審査員奨励賞:
積み木予報〜バランスどすえ〜/京都大学 大学院情報学研究科/地下職人〜再来〜
フシギデスク/東京工業大学 ロボット技術研究会/PON!!!

■未来観客賞
かおさがし/北陸先端科学技術大学院大学/くろびかり

審査委員長の筑波大学・岩田洋夫教授は「ハンズオン部門には2位以下の作品にも見るべき点が非常に多かった。来年以降もより盛り上げていきたい」とコメント。インスタレーション部門でも高専チームがトップ通過したことに触れ、発想のユニークさと果敢な挑戦を称えました。審査は1位から10位まで各審査員が投票し、合計点を元に決定されますが、1〜3位と4〜6位がそれぞれ接戦だったと述べ、議論の結果ユニークなインターフェースと、文学性の背景を持つ「人間椅子」が4位で通過したと解説。その上で落選したチームも、さらなる改良を続けて、シーグラフなどに挑戦して欲しいと激励しました。

「アーマード・コア4」プロデューサーなどで知られる、フロム・ソフトウェアの鍋島俊文氏は、「かおさがし」の受賞理由として「作品の完成度や、統一された世界観などは、ゲーム製作現場でも気にしているところです。そこがプレゼン審査から3ヶ月という短い期間で、見せ方などの気配りも含めて、きちんと実現されており、そこに一貫性が見られた点が良かった。襟を正される思いで、良い刺激をいただき、こちらこそありがとうございました」とコメントしました。


フロム・ソフトウェア賞を受賞した「かおさがし」


明和電機社長の土佐氏は「まさかIVRCで涙が見られるとは……」と会場を沸かせた後、「Tearable―手でやぶる」の受賞理由として、「Tearable→手でやぶる、という大阪のネーミングセンスと、(展示中にしばしば破損したことをさして)「手で破る」行為が「機械を壊す」ことにも繋がっていたという、ナンセンスマシン具合が良かった。ぜひ改良を重ねて、玩具「∞プチプチ」を超える作品にして欲しい」とコメントしました。これに対して開発チームからは「一番欲しかった賞が受賞できた」と返答していました。


明和電機賞は「Tearable―手でやぶる」が受賞


11月に開催される岐阜本選では、予選を通過した作品群に加えて、仏ラバル・バーチャルからの招待作品「The Dreaming Pillow(夢見る枕)」をあわせた6作品で総合優勝が競われます。本作品は一足早く、今年のシーグラフで入選を果たしており、今までにない強敵として学生作品の前に立ちふさがります。各チームがどのような作品にレベルアップしてくるか、今から楽しみです。

■「La flèche de l'odeur」チームリーダー・小倉慎司氏コメント

「チームのメンバーだけでなくて、クラスメートや後輩たちなど、多くの人に手伝ってもらいました。彼らのおかげで1位になれたと思います。本選では配線を工夫して移動式にしたり、臭いを強さだけでなく、種類でも分類できるようにしたいです。またゲーム内では風が吹いて、臭いを吹き飛ばすという設定で、実際にファンも左右に装着していますが、子供が怪我をしたら危ないという理由で、予選では回しませんでした。これもカバーをつけるなどして対応します。本選でもがんばります」


「La flèche de l'odeur」の制作チーム(前列中央が小倉さん)


■フロムソフトウェア・鍋島俊文氏インタビュー

―――「かおづくり」を高く評価されましたね。

鍋島:技術面に加えて、会場での見せ方や、パンフレットの作り方、メンバーが被り物をして応対するなど、細部まで一貫して作り込んでいた点に刺激を受けました。ゲーム作りでも、そうした細部に至るまで、どこまで必死に考えられるかが、非常に重要なところだと思います。これは弊社の企業理念でもあり、襟を正されたというのは、表彰式でも話したとおりです。

―――デバイスを使った遊びという点が特徴です。

鍋島:羨ましい部分はありますね。僕らだとアイディアがあっても、会社組織では作れなかったり、商品にできなかったりするので。そこは学生さんの方が自由で、羨ましいと思うところもあります。もっとも、逆にそこでの苦労もあるでしょうね。僕らも新しいコントローラが出ると、いろいろ苦労しますから。その点でも良いモノができていたなと。

―――IVRCの感想を教えてください。

鍋島:荒削りな作品もありましたが、そこも含めて学生さんらしさがありますね。完成度だけを追い求めて、小さくまとまってしまうのも、つまらないじゃないですか。「人間椅子」さんとか、ああいったインパクトのある作品が今後も出てきて欲しいですね。パンフレットなど、小道具だけが完成度が高いという風には、なってほしくない。やっぱり面白いアイディアをベースに作品作りが始まる、そんな場であり続けて欲しいと思います。これはゲーム業界でも同じなんですが。

―――最後に来年度の参加者に向けたアドバイスを。

鍋島:これは自分にも言い聞かせていることですが、きちんと期日までに完成させることですよね。プロであっても、アマチュアであっても、ある期限に向けて作り込んでいくというのは同じかなと。決められたゴールに向かって、アイディアを取捨選択したり、チームを運営していくのは、モノ作りの重要な一側面でもあるので、そこを大切にして欲しいなと思います。

―――ありがとうございました。

ph40 フロム・ソフトウェア 鍋島俊文氏
《小野憲史》
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