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同人ソフトとXbox360は「Xbox LIVE コミュニティー ゲーム」で交わるのか?

Xbox360で新たな試みがスタートしようとしています。「Xbox LIVE コミュニティー ゲーム」は個人が開発したソフトを「Xbox LIVE マーケットプレース」で販売できるシステム。制作者は価格を200〜800マイクロソフトポイント(約350円〜1200円)の間で設定し、売上の70%を受け取ることができます。

マイクロソフト Xbox360
Xbox360で新たな試みがスタートしようとしています。「Xbox LIVE コミュニティー ゲーム」は個人が開発したソフトを「Xbox LIVE マーケットプレース」で販売できるシステム。制作者は価格を200〜800マイクロソフトポイント(約350円〜1200円)の間で設定し、売上の70%を受け取ることができます。

個人が作ったソフトがゲーム機に乗りオンライン発売される。これは今までに例を見なかった試みです。家庭用ゲーム機で開発環境がリリースされることは今までにも何度かあったのですが、「Xbox LIVE コミュニティー ゲーム」で画期的なのは発表の場所や販路までが提供されることにあります。自分の作品が人々の目に触れ、そこから収入を得られる。これはクリエイターとしての自覚を養う上で極めて重要なことです。

どんなソフトだろうと販売できる訳ではないのもポイントで、世に出るには審査をパスする必要があるため、ロークオリティ過ぎたり不適切な内容のゲームが溢れかえるという心配はなさそうです。流通にかかるコストが低いながらも広くアピールすることができ、さらにはクオリティもコントロールできる。オンライン販売の良い部分を結集したような形式といえるでしょう。

日本には「同人ソフト」というインディーズゲームが存在しますが、これは他国のインディーズゲームとは少々異なったものとなっています。同人誌専門店やダウンロード販売ショップなどの流通ルートが確立しており、商品として高いアピール力を持つ洗練されたゲームが数多く存在。ゲームが審査されることがないためか、既存アニメのキャラクターを使用したパロディや過激な18禁など多彩なジャンルが許容される市場となっています。クオリティや著作権が問題となることも多く、パロディ元の版権所有者からクレームが付いて発売中止となることや、逆にクレームをきっかけに正式な許諾を得る場合などもあって、なかなかに混沌とした状況となっています。

こうして見てみると、日本の同人ソフトと「Xbox LIVE コミュニティー ゲーム」はインディーズゲームという点ではイコールですが、その状況は大きく異なることが分かります。そのため、日本で「Xbox LIVE コミュニティー ゲーム」のサービスがスタートしたとしても同人ソフト界からの参入は極めて少ないでしょう。逆に言えば、同人ソフト界とは違ったタイプの才能が見いだされる可能性も大きいわけで、特に日本のインディーズゲーム作者が海外でどのような評価を受けるのかが気に掛かります。新たな才能が花開くきっかけとして「Xbox LIVE コミュニティー ゲーム」の日本サービスを願いつつ、筆を置くこととします。
《水口真》
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