まずは開発者に対しての話
「私たちが最近学んだのは、いかにして成功したゲームに関する情報をサードパーティとも共有するかという方法です。任天堂は先月、ゲーム開発者向けのカンファレンスを主催し、『Wii Sports』で私たちのプログラマーがどのようにWiiリモコンを活用したかについて話をしました。フィードバックで私が聞いたのは、任天堂が喜んでそうした情報を第三者と共有することに驚いた、というものです。つまり、任天堂は非常に閉じられた組織で、それまでは余り外部のデベロッパーに優しくないという評価を得ていたということです」
「私自身、開発者としての経験がありますので理解します。私は"みんな望んでるんじゃないか"と。私は任天堂の多くの人に、こうした情報を公開するように働きかけました。もちろん、そうすることは模倣を生む可能性があります。しかし同時に、ゲーム業界が成長しなければ、私たちも成長することはできないのです。ゲーム業界が生き残って、私たちもまた生き残る事ができるのです」
そして傲慢にならないために
(N64やGCは失敗したものの、DSやWiiで成功したことについて)私たちがこのような変化に取り組み始めた時、確かに疑問がありました。しかし成功を示す事で受け入れられました。エンターテイメント産業の一角として、私たちの仕事は人々を驚かせることです。私たちは単にアイデアを提供するだけでは成功できず、人々の期待を遙かに超えることで成功できるのです。私たちはいく度の障害を乗り越えなんとか成功することができ、エンターテイメント産業にふさわしいドラマを飾ることができました(笑)。
しかし一方で私たちが「よし、これでいいんだ」と思い始めると危険が訪れます。もはやドラマはありません。「おお!これは素晴らしい」「やってみるよ」「凄いアイデアだ」と皆が任天堂について言うのが普通になると、会社の中ではモチベーションやエネルギーを持続するのが難しくなります。ですから、私の次の最も大事な仕事は「任天堂は傲慢になってしまった」「警戒するのを止めたようだ」「チャレンジ精神を失ってしまった」と人々に言われないようにすることです。
今のところ幸運なことで「Wiiバランスボード」も「Wiiザッパー」も良い評価を得ることができました。私たちがしなくてはいけないことは、実際に製品が発売された時に、今の期待を遙かに超える製品にすることです。噂を呼ぶ必要があります。これは大きな挑戦です。最も良い例は『Wii Sports』です。最初にゲームを見せた時、みんな「面白そうだ」と思いました。そして体験すると、その期待を超えるゲームであることに気付くのです。それが噂を呼び、評判を呼びました。私たちはこれを実現しなくてはならないのです。
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