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【東京ゲームショウ2005】岩田社長 基調講演 全文

岩田社長の基調講演の全内容になります。最初の1分程、逃しています。申し訳ない。後から補完されるかもしれません。

任天堂 Wii
岩田社長の基調講演の全内容になります。最初の1分程、逃しています。申し訳ない。後から補完されるかもしれません。

前回の基調講演は、ファミコンから20年、ゲーム業界の今とこれからというものでした。そのときに、私がお話させていただいたのは、ゲーム産業の歩み、特に技術の発展を背景に、ゲームが高度で豪華な娯楽に成長していった事。その一方で、市場の現在に目を向けると、特に国内市場の縮小ががはっきり目に見える形であらわてきた、ということ。そして、この先にあるトレンドはなんなのか、という事やゲームビジネスのこれからについてです。

二年前の講演の最後に、私はこんなことをいいました。ゲームビジネスはこれまで20年間、非常に順調に成長、発展してまいりました。これまで不況の影響を深刻に受けることもありませんでしたし、様々な技術革新や、新しいハードウェアの発売でユーザーに飽きられることなく、新しく魅力的な驚きを与え続けることができました。

このこともあり、業界の中には今までと同じ事を続けていけば、すなわちゲームをより豪華に、そして複雑に、よりリアルにする競争を勝ち抜いていけば、これからも発展できるんだという考えが、流れているように感じてなりません。しかし、過去あらゆる産業で30年以上、同じ構造でビジネスが発展し続けた例は、ほとんどありません。

誰かが新しい構造を発明して、ゲームビジネスが更に発展するのか、それともそれが出来ずにビデオゲームが飽きられて、ゲームビジネスが衰退していくのか?われわれは今、その岐路に立っているのか。

ビデオゲームビジネスの未来のため、われわれは市場を拡大せねばなりません。そのために、過去の成功体験を捨て、原点に立ち返って、誰にでも前提知識無く楽しめる、間口が広くて奥が深い。そういう商品を展開していくことに、業界全体が一丸となって努力していく必要がある。そういう風に私は考えます。

これはいいかえれば、ゲーム人口の拡大を目指すという事です。そもそも、ゲームを楽しんでくださる人の数が増えていかない限り、最終的に市場の拡大はありえません。拡大ができなければ、われわれは業界全体がゆっくり死んでいくのを、ただ待つだけになってしまいます。だからこそ、この問題を指摘した我々、任天堂は当事者としてゲームの人口の拡大に向けて、いち早く行動してまいりました。

それでは、まず過去2年間に任天堂が取り組んできたゲーム人口拡大への取り組についてお話したいと思います。

ゲーム人口拡大への取り組みは、大きく三つの柱により構成されています。

まず、ゲームから離れてしまった人たちを呼び戻すこと。次に、今までゲームをしていなかった人を呼び込むこと。そして、ここが大変重要だと考えているのですが、ゲーム熟練者も、ゲーム初心者も楽しめる新しい商品を提案することです。

ゲームをしていなかった人、ゲームから離れてしまった人が今のゲームでは難しいと感じるからといって、単純に初心者向けのシンプルな商品を提案するだけでは、ゲーム熟練者の皆様に満足していただくことはできません。これを両立させることを重要なテーマとして取り組んできました。

最初にご紹介するのはファミコンミニです。

(ファミコンミニのCM2バージョンが流れる)

ファミコンミニは、ファミコン生誕20周年を記念して、当時のパッケージを再現し、当時のソフトをそのままゲームボーイアドバンス上に再現することで、ゲームから離れてしまった人たちを再びゲームに取り込むきっかけを目的で展開いたしました。ファミコンミニは昨年の2月から8月にかけて、3つのシリーズ、合計30タイトルで展開し、おかげさまで大変な支持をいただくことができました。
日本市場で400万本を越える販売を達成しております。

この商品の発売時には小売店さんの店頭に年齢・性別を問わず幅広いお客様が来店され、ゲーム休眠層が再び活性化したのではないかという話題にもなりましてゲーム人口の拡大を多少なりとも実現できたとの手ごたえが多少なりともありました。

実はテレビ広告などで、皆さんご存知あるかもしれませんが、今週、9月13日、スーパーマリオ20周年の誕生日を迎えました。これを記念して昨年、約60万個を出荷しながらも、店頭で品切れとなっていた、ファミコンミニのスーパーマリオ、これを三日前の火曜日に再発売いたしました。

今でも音楽や効果音を聞くだけで、ゲームを楽しんだ幸せの記憶を思い出していただけると、いろいろなかたにお聞きするのですが、本当にありがたいことだと思っています。

え、今日マリオの作者の宮本が座席にいるはずなのですが、ちょっと立っていただいてもよいでしょうか。

(宮本さんが立ち上がる、拍手が起きる)

ここで宮本と一緒にマリオを楽しんでいただいている世界中の皆様に改めて御礼を申し上げておきたいと思います。本当にありがとうございます。

(宮本さん「ありがとうございます」また拍手。)

スーパーマリオの誕生日には当社の歴史上、もっとも小さいゲーム機、ゲームボーイミクロを発売いたしました。ファミコンのコントローラーを模した、ファミコンバージョンが特に人気があるようです。既に品切れが起きている店舗もあるようでご迷惑をおかけしていますが、来週には再出荷が出来ると思います。

このゲームボーイミクロも当社にとってはゲーム人口拡大の取り組みへの一つです。今や日常生活で、ゲームから離れてしまっている、そしてゆっくりと時間とエネルギーをゲームには使うことができない、そういう人こそが、この商品のターゲットです。電車の中で携帯電話を触るようにこの商品を楽しんでいただける。そういう事を期待しています。

第2の取り組みは、今までゲームをしていなかった人たちをいかにゲームの世界に呼び込むのか、とうことです。過去20年以上のゲームの進化の中で、ゲームは高度で洗練された歯ごたえのあるものに進化いたしました。その一方で、初めて遊ぶ人への敷居が高くなっているのは、否定できません。しかし市場には、既に高度で進化したゲームがあふれています。単に、シンプルでわかりやすいゲームを提供するだけでは、ゲームの熟練者の方にとっては、ただの価値の無いものになってしまいます。このためには、ゲーム熟練者の人たちにも、そして今までゲームに触れてこられなかった人たちにも、誰もが同じスタートラインから楽しめる、全く新しい提案が必要です。その実現のためには、全く新しい構造のハードウェアが必要となります。

皆さん、ご存知の通り任天堂にとって、その答えが任天堂DSです。ゲームといえば両手を使い、左右のボタンで操作する事と決まっていた。インターフェースを全面的に考え直すところから、このチャレンジは始まりました。

二画面、タッチスクリーン、マイク入力、ワイヤレス機能など人とゲームの関係を再び同じスタートラインにするための仕掛けを満載しました。しかし、ハードを作っただけでは課題は解決いたしません。問題はどんなソフトでプレイするかです。我々はゲーム市場の拡大を目指しているのですから、初心者でも熟練者でも、誰もが同じスタートラインにたって、前提知識がなくても楽しめるようにしたい。これを目指しています。

そのために、何が必要になるか。もちろん、今のビデオゲームを楽しんでいただいている世界中に方にとって、既存ジャンルの充実は必要です。我々も積極的に力を入れてきましたし、これからも更なる努力が必要だと思います。一本で既存ジャンルにおける商品の魅力向上をするには、より豪華にすることになりがちで、前提知識が必要になったりと遊びに長い時間とエネルギーを必要とする構造になりがちで、初めての人には敷居が高くなります。そして逆に熟練者の人たちにとっては既にどこかで遊んだことがあるゲームに見えます。新鮮さを感じてもらうことは、容易ではありません。

このような商品にも常に新しいイノベーションを加え、新しいインターフェースを生かして人とビデオゲームの感覚をより近いものにしていく必要があります。そして、同時に私達が目指すべきは、ゲームの枠組みを広げて、ビデオゲームの定義そのものを拡張し、新しい仕組みだからこそできる、全く新しいジャンルの商品、そういう商品を生み出す。このイノベーションこそが、新たなお客様を獲得する、もっとも有効な取り組みになると、私は確信し、この春、全く前例がないような商品郡を、集中的に投入いたしました。それがTouch Generationsと呼ばれるソフトたちです。それぞれ従来のゲームの構造にはない、新しい遊びと、世代や性別を超えて、誰にでも楽しんでいただけるゲーム人口拡大を狙った商品でした。

具体的にはnintendogsは、DSの発表のときからご紹介していましたので、ご存知のかたも多いかと存じます。タッチペンで犬をなでたり、自分の声で犬を呼び、そして「すれ違い通信」と名づけた、新しい無線通信の方法で、街中ですれ違った人たちと新しいコミュニケーションが生まれました。全くゲームをされてこなかった人たちにも、すぐに楽しむ事ができるので、本日現在で3種のパッケージ、日本国内のみで既に合計100万本の出荷を達してしています。

8月22日より北米でもnintendogsの出荷を開始いたしまして、これはそのパッケージです。日本とは違って柴犬ではなく、ラブラドールリトリバーがパッケージになります。出荷開始から1週間で25万本以上が売れ、二本以上の出足になっています。犬と触れ合うコミニュケーションの記憶は世界共通であると、改めて実感しています。

欧州での期待も高まっていると聞いていますので、欧州での来月の発売を、私は楽しみにしています。

次に「脳を鍛える大人のDSトレーニング」東北大学の川島先生との共同研究の成果として生まれました。直接文字をペンで書く、画面をタッチする、声で入力をするというゲームインターフェースのイノベーション。そしてゲーム感覚で脳年齢を手軽にお知らせするという話題性が、今までゲームに全く触れられてこられなかった、シニア層の方も含め、幅広く受け入れていただく原動力になりました。

そしてやわらか頭塾です。タッチペンを使い、子供から大人まで誰もが楽しめ、そしてソフト一本でその場にいるDSユーザー全員が楽しめるソフトで、年齢、性別、ゲーム経験の有無を問わにず、幅広い人たちに受け入れていただく事ができました。

でわ、これらのソフトが実際にどのような人たちに届いているのか、クラブニンテンドーのデータでご紹介したいと思います。




これはソフト登録者の男女比のグラフです。DSは当社のハードでも最も女性が多く、アクティブに遊んでいただいているプラットフォームですが、その中でもnintendogsの女性比率の高さ、そしてそれについでやわらか頭塾の、女性層の高さがはっきり読み取れるかと思います。

脳を鍛える大人のDSトレーニングも、週を追うごとに女性の比率が高まっていまして、平均をかなる上回る女性比率となっています。これは新たなユーザーが開拓されている一つの証といえるのではないかと思います。






これはソフト登録者の年齢別のデータです。このデータを見ますと、脳を鍛える大人のDSトレーニングも、そしてやわらか頭塾も全年齢に受け入れられている様子がはっきりと読み取れると思います。このデータはクラブニンテンドーのデータを元にしていますので、おそらくシニア層の方々の割合というのは、もっとゲームの実際の購買よりも若干低めにでているのではないかと、考えています。それでも、45歳以上の厚み、この紺色の部分ですな。これが脳トレや、やわらか頭塾では大きく平均を凌駕しています。

こういう事に、これら商品がゲーム人口の拡大を達成しているという手ごたえを感じています。



次にそれぞれのソフトを購入されたかたが、いつDSの本体を登録したのか、という観点でハードウェアの牽引率を試算いたしました。一般的なソフトでは、ハード発売時の同発ソフトを除いて、ハードウェアの牽引率が3割を超えることはめったにありません。



しかし、脳トレややわらか頭塾のハードウェア牽引率というのは、週を追うごとに高まっておりまして、等々nintendogsを追い越すまでになりました。脳トレでは最近の1ヶ月はクラブニンテンドーに登録するお客様の中でも、10人のうち6人が一緒にハードを購入されている。そして現実にはクラブニンテンドーに登録されていない方も、より多くの新しいハードを買っていると思われますので、ハードウェア牽引率はより高い可能性があるという風に分析しています。





もう一つ特筆すべきはハードの牽引率だけではなく、その売れ方の推移です。このグラフは日本の市場における、過去2年ほどの様々なヒット作を分析し、発売以降、毎週の販売量がどのように推移するか平均を示したものです。

今、ゲームの大多数はきわめて消費寿命が短くなっています。1週目に100売れたものが2週目には20%強しかありません。3週目ではさらにその半分になってしまいます。そして比較的ロングセラーが多いといわれる、任天堂のソフトでもやはり発売週の20%以上売れるのは最初の1ヵ月半程度です。そして3ヶ月ほどするとほとんど商品としての動きが止まってしまいます。

これにTouch Generationsの動きを加えてみると何が起きるのか見てみましょう。これは先ほどのグラフにTouch Generationsの3つのソフトを重ねてみたものです。nitendogsは発売10週目以降も、変わらないペースで売れ続けています。脳トレに至っては発売以来、14週目に週販の最高をたたき出す、というきわめて異例な売れ方をしています。やわらか頭塾はまだ11週目までしかデータがありませんが、これもしばらくは販売ペースを意地しそうな流れをしています。確かに脳とれややわらか頭塾がよく売れているといっても、初週の量が爆発的に多かったわけではありません。しかし販売数が落ちずに売れ続け、後なるほどハードウェア牽引率があがっている。これらは、こういうソフトによる我々の取り組みがゲーム人口の拡大に成功に対して確かに手ごたえを感じさせるものになっているのを私は感じます。

DSは8月に、発売9ヶ月を待たずして、出荷ではなく実売で国内で300万以上販売されました。この結果は、単にハードがよく売れたという事だけではなく、これらのユーザー層の拡大の取り組みによって、ゲーム人口の拡大をはかってきた成果であるという風に思います。

これを検証するため、違う角度から日本のゲーム市場を分析してみます。





これはメディアクリエイトさんが発表されているデータを元に日本のゲーム市場の4月上旬から9月下旬までの市場規模を3年間にわたり比較してたものです。

これは数量を基にした標準小売価格での金額ベースでの市場規模の推定です。据え置き型については、現行機のライフスタイルの末期になっている事もありますので、ハードが昨年の83%、一昨年と比べると47%。ソフトが昨年オ90%、一昨年と比べ、91%と、据え置き型の市場規模は今、縮小しています。

その一方で、携帯機に関しては先ほどお話いたしましたような、DSの構造もありまして、ハードの市場規模が昨年の、321%、SPがよく売れていた、一昨年と比べて229%となっており、ソフトが昨年の124%、一昨年の112%と、携帯型では、この2年で大幅に市場が拡大しています。



この結果として、全体での市場規模は昨年の112.1%と一割以上の成長を見せています。一昨年と比べても、据え置き機のハードとソフトの売上が22%減少しているにも関わらず、携帯型のハードとソフトが56%ほど伸びたので、トータルではほぼ同じ市場規模を回復しています。

この分析をしてみて、私達は過去2年間取り組んできた、ゲーム人口の拡大への、取り組みがゲーム市場の拡大に繋がっているという確かに手ごたえを感じています。

もちろんTouch Generationsのソフトを展開しただけでは、ゲーム市場の人口の拡大は終わりません。海外ではこれからゲーム人口への拡大がNintendogsを皮切りに本格化するわけですし、海外でも市場拡大へむけた結果を出すべく、全力を尽くしたいと思います。

日本の市場においても、ゲーム熟練者の市場をさらに新たなる提案をすると同時に、一度興味をもっていただいた新しいお客様に次なる提案を用意しています。幸いTouch Generatiosで久しぶりにゲームに触れた、または、初めてゲームに触れた方々も、現在非常にアクティブにゲームを楽しんでいただいている事がわかっています。

最近でも、さわるメイドインワリオのような、DS発売時のソフトがしばしば、デイリーのヒットチャートに顔を出すことがあります。これは、これら新しいお客様に楽しんでいただいていう側面もあります。


その中で、今年の年末に世界で力をいれるもう一つの柱が、任天堂Wi-fiコネクションズです。



対応ソフトを購入されたお客様が、当社が全国の小売店さんに展開する、接続拠点に一切のセットアップが無く、接続できるようにしています。

普及を担う当社のソフトに関しては、月額利用料などの経済的ハードルをなくし、そしてインターネットの匿名性があるがゆえに、いわゆる心裡的な障害になっている、見知らぬ人とのコミュニケーションで嫌な思いをするのではないかという事への対処も万全を期しています。

いよいよ今年の11月、世界でスタートします。その普及を担う代表的なソフトは、動物の森、これは海外版のパッケージですが、そしてマリオカートDSになります。

今日は時間の関係もあって、詳しくはお話できませんが、10月上旬には詳しいお知らせができると思います。

今までのゲームではその敷居の高さのために、一部の方だけがインターネットの接続し、楽しむ事をしていましたが、任天堂は最終的には対応ソフトをこうにゅうした方のほとんどが、少なくとも一度はWifi体験を、実際に接続し楽しんでいただける。そういう価値あるイノベーションを実現したいと考えています。

さて、少し前置きが長くなってしまいました。そうです、DSでユーザー層の拡大に取り組む、ゲームシステムの拡大という方法で成果をあげてきた我々は、据え置き機で何を提案するのか?皆さん、ご存知の通り、開発コードネーム、レボリューションについて、今年のE3でお話いたしました。これは、E3のときに公開した本体画像です。

DVDケースを3枚重ねたほどの非常にコンパクトな筐体になっています。私達が目指す方向は、携帯でも据え置きテレビでもかわりません。3つのミッションは同じだと考えています。

いかにして、ゲーム人口を拡大していく、市場を発展させていくことが出来るのか、という点で目指すゴールは共通です。そこをもっとも重視します。

DSの取り組み前から、私は一つの危機感をもっていました。それはゲーム発展の中で進歩してきた、ゲームの操作系。ファミコンからだんだん高度になった現在の操作系によって、ゲームから離れてしまう。そしてゲームをしてこなかった人に、触る前から「こりゃ難しそうだ」「とても自分には出来ない」と怖がったり、食わず嫌いで逃げてしまっているという事を、感じていたのです。

ですからゲーム人口拡大のためには、ゲーム熟練者に満足していただける仕組みは当然のことながら、同時に今ゲームを触っていない人が、自分にでもできそうだ、触ってみたいという風に思えるようなものを提案する必要があると考えています。

ここでもっとも重要になるのが、コントローラーのインターフェースです。それは、インターフェースを従来の延長上にしたのでは、今ゲームを触っていない人そして、今トーらーさばき、言い換えれば手先の器用さに自信のない人にとっては、敬遠されてしまうという事があります。

インターフェースを大きく変えて、ゲームを触っていない人に受け入れてもらいやすいように。同時にゲームの熟練者の方がたに新しい刺激を感じてもらえるように、そのことによって誰もが同じスタートラインで新鮮に楽しめることが、何より重要になると考えました。これは本質的にはDSのアプローチと同じです。しかし、もちろんテレビを2画面やタッチスクリーンにすることはできません。

そこでゲームのコントローラーは必ず両手で握るものなんだという、常識を考え直すところから始めました。まずはこのビデオをご覧ください。

(ビデオ上映)

これがレボリューションのコントローラーです。誰もが同じスタートラインで、直感的に使えるそういう新鮮な操作感覚を実現する事を目指しています。従来のコントローラーとは大きく異なる形状になりました。先ほどごらんの通り、プレイスタイルの大胆のイノベーションをおみせしました。私達がゲームリモコンと呼んでいる、このコントローラーの先端には、最新のダイレクトポインティングデバイスと呼んでいるセンサーが取り付けられていて、画面方向のどこを示しているのかという事が、検出できるようになっています。

そしてこのデバイスにより直接的に場所を指し示すというだけではなく、画面との距離あるいはひねりですね、そいういうものも検出できるようになっています。

コントローラーがせっかく標準でワイヤレスになったのですから、今回より自由なスタイルでプレイができるという事とあわせて、ゲーム初心者の皆さんには直感的でわかりやすい操作で、そしてゲーム熟練者の皆様には、新鮮で驚きが感じられる操作感覚を実現したいと思っています。

また、このデバイスは複数のコントローラーで同時に使うことができます。ですから、これを使って複数のプレイヤーと一緒にスカッシュを楽しんだり、料理をテーマとする新感覚操作をゲームで実現できます。あるいは、コントローラーをゆっくり動かす、遊びがあってもいいでしょうし、一人で二つのコントローラーを使って楽器を演奏するという事も行えます。あるいはロッドアクションをそのまま実現するような直感的なつりのゲームや、ゲームのジャンプに新しい操作ができるようになるかもしれません。

これまで新しいコントローラーの片手操作について話してまいりましたが、このコントローラーの特徴はこれだけではありません。このコントローラーのもう一つの特徴は、柔軟な拡張性です。ダイレクトポインティングデバイスの反対側には、拡張コネクタがついています。

このコネクタを使って様々な拡張が可能になります。コンk内はこんな形のもの、ぬんちゃくのような、両手を使って自由に操作ができる、フリースタイルコントロールと言うものをおみせいたします。

このコントローラーは本体に標準で同梱しようと考えています。進行方法は左手で動かすと同時に、画面で何かを狙うという操作。例えば海外で非常に重要なゲームジャンルであるFPSというゲームなんですけど、このフリースタイルコントローラーで新しいFPSの操作体型がスタンダードになるかもしれません。

これをうまく使えば、暗闇で懐中電灯を照らしながら歩く、探検型の冒険がとても直感的に実現できますし、ファミリデー遊ぶゲームの操作性も、より直感的で、とっつきやすいものに変えていけるという風に思います。

そして、先ほどお話いたしましたように、新しいFPSの操作体型のスタンダードを確立したいと思います。

かつて、マリオ64が3Dゲームの基本操作を提示したように、このコントローラーで、ゼルダのようなゲームの操作がどう変わるのか?どんな操作が新しいアクションゲームのスタンダードになるのか、私自身も楽しみですし、そして皆様に楽しみにしていただければと思います。

もちろん、これだけ現状と離れた提案をするわけですから、なぜこんなコントローラーになったのかというご説明

元々の発端は家庭にはビデオゲームのコントローラを触ろうとする人と、触ろうとしない人がはっきりとわかれている、という現実がありました。テレビのリモコンは家族の誰もが触のに、ゲームのコントローラーをゲームを遊ばない人はさわろうとしません。
それはなぜなのか?やはり、両手で握って、左右の指を別々に器用に動かという事に対する恐怖感によって、食わず嫌いの心裡が働いているのでは?そういう事を我々は考えました。

ゲーム人口の拡大のためには、家族の誰もがテレビのリモコンのように、いつも机の上においておいて、そして家族のそれぞれに触ってもらえるようにする必要があると考えたのです。

まず、いつでも机の上においてもらえるように、コンパクトな形にしました。この大きさなら、私はそれが可能になるんじゃないかと思っています。そして、テレビのリモコンと同じように片手で操作ができるようにしました。おそらく、今ゲームをしていない人にとっても、敷居は大幅に下がると思います。

このことでDSのタッチペンがそうであったように、直感的に誰もが同じスタートラインで、楽しんでいただけるという風に思います。そして、家族の誰もが自分に関係ある、自分が触る対象になるという風に感じていただきたいと思います。

そして、拡張機能により、ぬんちゃく型のフリースタイルコントローラーを使って両手の操作も可能です。これにより、FPSやアクションゲームでも新たな操作感覚を提供します。みなさんの愛するゲームが、このコントローラーでどう変わるのか、楽しみにして欲しいですし、そしてみなさんが開発するゲームも、このコントローラーでどう変えられるのか?考えていただきたい。

次に社外の方にコメントをいただきたいと思います。

(ビデオ流れる
河津さん・小島さん・堀井さんの三人。基本的には、「全く想像してないかった!」という類のコメント。ちょいと省略。要望あれば書きます)

皆さんそれぞれこのコントローラーを使ってどんな提案をしていただけるのか?私自身もわくわくします。

このコントローラーで従来型のゲームは大丈夫なの?バーチャルコンソールのゲームはどうやって遊ぶの?という事をご心配されている方も、いらっしゃるかもしれません。

今日はコンセプトが複雑になってしまうため、紹介はしませんでしたが、拡張機能を生かして、従来のゲーム、バーチャルコンソールのゲームそして、マルチプラットフォームのゲームを遊ぶための、クラシックコントローラー対応アダプタ、これはゲームリモコンに装着する、従来型のコントローラーのような形をしたアダプターになります。そういうものも用意しますので、ご心配いただなかなくても大丈夫です。

全く新しい入力インターフェースで、ゲームが楽しめるという構造には、私は別の意味もあると思っています。次世代機になって、開発はより大規模化するといわれていますが、規模が小さい開発チームの方々も、次世代機は自分の土俵にはなりえないというような疎外感もあるように聞いています。しかしこの、新しいインターフェースによって、例え規模、人数、予算が小さい開発チームであっても、アイデア勝負で活気的な商品を作るチャンスが生まれるという事になります。

例えばDSの脳トレソフトを例にあげますと、これは新しいインターフェースを生かすのが基本となっているからこそ、商品価値が高まった。そういう商品だと思いますが、これは規模の大きい開発チームで作られたものではありません。事実、開発の佳境でも、開発チームの人数は10人を切っていましたし、基礎技術の開発を除いた、本技術の期間は年末年始を挟みながら、4ヶ月を切っていました。

次世代機では開発規模が増大し、要求される開発量やリスクがどんどん大きくなる。そして、それによってとても自分達のチームでは、開発できないと感じておられる方こそ、そういう世界中の開発者のアイデアを受け止めるような会社になっていきたいです。そして、それを一緒に形をしていきたいという風に思っています。

今回のコントローラーを見て、びびっときた、ひらめいたという方がいらっしゃったら、ぜひそういう開発者のみなさんの、ご提案を任天堂はまっています。

もちろん我々がこのコントローラで、アイデアで勝負するコンパクトな商品だけを、提案するものではありません。むしろ、このコントローラーで、ゲーム入力インターフェースの新しいスタンダードを確立するという事を目指しています。シンプルでコンパクトなゲームを求める初心者のみなさん、そして高度で豪華で複雑な深みのある大型ゲームを求められている熟練者のみなさんに、両方に満足していただけるようにしない限り、ゲーム人口が増えることはないと思います。

だからこそ我々はゲームのサイズや奥深さについてダイナミックレンジの広い、そういうラインアップを提供していきたいと思います。

ファミコンから20年あまり、ゲーム業界は順調に成長、発展してまいりました。オーディオビジュアルのリアル化、3D技術やアナログスティックの導入などのイノベーションによって、ユーザーの皆様に新しく、魅力的な、どきどきを与え続けることができました。このことから、今でもこれまでと同じ方法論を続けていけば、すなわちゲームを高度でより豪華にする競争を勝ち抜いていけば、発展できる。そういう考え方をお持ちの人は決して少なくありません。

もちろん何が正しいのかを決めるのは作り手ではなく、世界中のゲームユーザーのお客様たちです。ですから、今までの方法論が、今後も通用するんだとお考えの方々は、私はそれを突き進めればよいと思います。しかし私達は、それが今後も通用するとは思っていません。そして日本市場で表れている変化、それに対するDSのユーザー層の拡大の取り組みへの手ごたえ、そして海外市場でいろいろな形で起こりつつある変化、どれを見ても我々は今、これまでと異なる流れの、新しいイノベーションが必要だと確信しております。

DSがゲームをしていない人たちを巻き込むことができたたのは、直感的なインターフェースの貢献が非常に大きいと思います。タッチペンで犬をなでたり、文字を書いたり、あるいは声でゲームの世界でコミュニケーションをとったりという事は、熟練者の方も、初心者の方も、同じスタートラインではじめることが出来たからこそ、Touch Generationsはこのような結果になったのではないかと思います。我々の娯楽商品はよい意味で、人を驚かせる仕事をしていると考えています。そのためにはたゆまないイノベーションがかぎとなります。我々の提案が人々を驚かせることができなくなったとき、人はゲームに飽きるわけです。ですから、据え置き型ビデオゲームの世界も、ゲーム進行拡大のための新しいイノベーションが必要です。しかもそれは、誰の目にもあきらかにみえて、直感的に認識できるものでないと、現在の市場
環境に適応できません。このことが入力インターフェースを一新するという事を、我々が提案している理由です。

多くの業界関係者の努力により世界が広がったゲームソフトの力、今後も長きにわたって世界中の人々たちに広く受け入れていただけるような存在として発展させていくべく、世界中の業界の関係の皆さんと、今後も力をあわせていきたいと思っています。

本日はご静聴どうも、ありがとうございました。
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