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岩田聡社長インタビュー/Seattle Post-Intelligencer

任天堂の岩田聡社長へのインタビューがシアトルの地元紙Seattle Post-Intelligencerに掲載されています。「レボリューション」や「ゲームボーイ・ミクロ」について触れられています。

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任天堂の岩田聡社長へのインタビューがシアトルの地元紙Seattle Post-Intelligencerに掲載されています。「レボリューション」や「ゲームボーイ・ミクロ」について触れられています。

――3社がそれぞれ次世代機を公開しました。今の時点での「レボリューション」の見通しを聞かせてくれませんか

第一に、ソニーとマイクロソフトは非常に強力な技術で同じような進路を取っています。対して任天堂は少し違うアプローチをするつもりで、これは興味深い事実だと思います。

もちろん私達も技術の進歩を続けます。しかしその進歩を単に処理速度を上げる為だけに用いるなら、その結果として電力使用量を増加させ、ハードを高額なものにし、ゲームの開発コストを押し上げることになるでしょう。任天堂がそのトレードオフを考えた場合、確かに私達も高度な技術を採用するでしょう。しかしそれを、より効率的な動作や、静動性、起動時間の短縮などに利用しようとしています。また真新しいインターフェイスを構築していて、それが最も他のハードと異なる点です。

――どちらの戦略が勝るでしょうか

それを決定するのはユーザーです。任天堂は単に我々の戦略が正しいことを信じて遂行するだけです。

――ビル・ゲイツは任天堂がニッチ・プレイヤーになると発言しました。それについてどう思われますか

ニッチやニッチ市場という考え方について私は全く反対の見方をしています。もし全てのプレイヤーが先端技術を好んだり、コアなゲーマーばかりを対象としていたのでは、マーケットは非常に制限されたものにならざるを得ないでしょう。それでは新規ユーザーの獲得はできません。私達は世界中の幅広いユーザーを獲得したいと考えています。言い換えれば、私達はゲームをしない人をも獲得しようとしています。このような会社をニッチと呼ぶのは適切ではないと思います。

――「レボリューション」ではどのようなゲームが楽しめるのでしょうか

もちろん私達は熱心なゲームファンや任天堂ゲームのファンを忘れることはできません。私達はそれらのファンが「マリオ」や「ゼルダ」や「メトロイド」の新作を楽しみにしていることを知っています。また、ファンの要望にも答えていきたいと思います。

同時に多くの人がマルチプレイヤーゲームを期待していて、私達は「Nintendo Wi-Fi Connection」のサービスでもっとエキサイティングな機会を提供するつもりです。「レボリューション」では離れた場所にいる者同士でも正に向かい合っているように対戦を楽しむことができるようになるでしょう。

また今のゲームを遊んでいないプレイヤーの興味を刺激する、今のゲームとは違ったようなものを作っていかなくてはならないと思います。任天堂の挑戦は新しいインターフェイスを作り、非ゲーマーを取り込む新しいテーマを生み出すことです。

――その新しいインターフェイスとは、画面に関わるものなのか、それとも手元に関わることなのでしょうか

残念ながら現時点では何も言えません。しかし少なくとも手を使うということは言えます(笑)。

――Xbox360は年末発売される予定です。「レボリューション」の発売はいつになる予定ですか。またその発売時期が市場シェアにどのような影響を与えると思いますか

最初に市場に出たハードが勝つならば、DCとPS2の勝者は違っていたでしょう。過去にも同様の例が多くあります。

しかしそれほど遅れる余裕はありません。これは非常に重要な点です。現時点ではヒミツを守らなくてはなりませんが、今年の年末までに私達は世界中の聴衆に対して、この不思議な提案について具体的に見せなくてはならないでしょう。そのとき、私達は全く別の立場に立つことになるでしょう。

――今回発表した「ゲームボーイ・ミクロ」が生まれたきっかけは

どこまで小さく出来るか、どんなデザインがよく見えるか、という様々な実験を行いました。ハードの縦横、液晶のサイズ、、、その結果幾つかのプロトタイプが出来上がりました。それを更に小さく出来ないか取り組みました。そして私達はこれを究極の物にしたいと思い、任天堂にとっては異例のメタリックボディーに仕上げました。

――一般的に任天堂は子供に支持されていると思われています。次世代機では、それを追求するのでしょうか、それとも取り除こうとするのでしょうか

私は子供達が任天堂を支持してくれていることを誇りに思っています。それは彼らが本能で製品を判断するからです。誰でも人間の本能に訴える製品を作りたいと願いますが、それは簡単なことではありません。もちろん私達が子供向けのゲームを作っているという意味ではありません。私達は60年代生まれの人も70年代や80年代生まれの人も楽しめるエンターテイメントがあると信じています。それを実現する為に私達はこれからも挑戦を続けていきます。
《土本学》
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