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【MI-6 ミッションファイル】第1回 007史フラッシュバック前編

世界をまたにかけて超極秘任務を華麗に遂行するイギリス諜報機関MI6のエージェント007こと「絶対に偽名を使わないシークレットサービス」ジェームズ・ボンド。MGMとエレクトロニックアーツとの提携によって、ゲームキューブとゲームボーイアドバンスで新たな任務に挑みます。2月11日の発売を前に、007の歴史を振り返ってみましょう。これを機に、映画を見直すのも良いかもしれません。

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世界をまたにかけて超極秘任務を華麗に遂行するイギリス諜報機関MI6のエージェント007こと「絶対に偽名を使わないシークレットサービス」ジェームズ・ボンド。MGMとエレクトロニックアーツとの提携によって、ゲームキューブとゲームボーイアドバンスで新たな任務に挑みます。2月11日の発売を前に、007の歴史を振り返ってみましょう。これを機に、映画を見直すのも良いかもしれません。

ここでは、初代ジェームズ・ボンドことショーン・コネリーから3代目ロジャー・ムーアの演じた作品までを扱っています。

■ショーン・コネリー

制作年 タイトル 原題
1962 ドクター・ノオ Dr.No
1963 ロシアより愛を込めて From Russia with love
1964 ゴールドフィンガー Goldfinger
1965 サンダーボール作戦 Thunderball
1967 007は2度死ぬ You only live twice


1962年、記念すべきボンドシリーズ第1作が発表された。当初は後に第4作目にあたる「サンダーボール作戦」が作られるはずであったのだが、予算や技術などの点で制作が困難となったため「ドクター・ノオ」が選ばれた。初代ジェームズ・ボンドに選ばれたのは当時は無名であったショーン・コネリー。日本初公開時は「007は殺しの番号」というタイトルだったが後に改題されている。この段階では、まだシリーズの特徴ともいえる特殊ツール「ガジェット」は特に登場していない。

雑誌LIFEにて当時の米国大統領ケネディが愛読書としてその原作を紹介したロシアより愛を込めて」。原作ではボンドの敵はロシア、ということになっていたが、当時の国際情勢を懸念して第三者に書き換えられた過去を持つ。また、本作にて初のガジェット、様々な装備を内蔵した万能アタッシュケースが登場している。

シリーズのスタイル確立作となった「ゴールドフィンガー」。ボンドに匹敵する強力な敵と重要な仲間、もしくは敵となる美女は知られているが、もう1つは巨大なセットと大規模なロケーションである。アメリカ中の金が集まると言われる大金庫、フォート・ノックスが登場するのだが、本物は飛行機からの映像のみ。それ以外は外部を精密に再現し、内部は全て想像に基づいたセットで作られている。また、劇中に登場する秘密兵器満載のボンドカー「アストンマーチンDB5」は映画に出てくる車の中でも最も有名なものの1つ。

本来第1作目として作られるはずだった「サンダーボール作戦」。MI6の部長Mによって発動された全諜報員を動員する作戦が描かれ、撮影規模は過去3作品のいずれをも越えるもの。特に水中のシーンが多いのが特徴。

日本でロケが行われた異色作が5作目の「007は2度死ぬ」。日本の情報部のリーダーに丹波哲郎、情報部員として浜美枝、若林映子が登場している。「ロシアより愛を込めて」と「サンダーボール作戦」に登場する秘密結社スペクター、そのNo.1ことブロフェルドが初めて登場するのもこの作品。この作品の撮影中にショーン・コネリーはボンド役の降板を発表している。



■ジョージ・レイゼンビー

製作年 タイトル 原題
1969 女王陛下の007 On her majesty


ショーン・コネリーの後継者として選抜されたのが2代目、ジョージ・レイゼンビー。今現在ボンド役をイギリス人以外が務めたのは彼だけとなっている。本作ではボンドが初めて本当の意味での恋に落ち、結婚するという異例の事態が発生する他、ショーン・コネリーの007には見られなかったような感情表現が目立った作品となる。



■ショーン・コネリー

制作年 タイトル 原題
1971 ダイヤモンドは永遠に Diamonds are forever


007の役そのもののプレッシャーからかジョージ・レイゼンビーは1回で役を降りてしまったため、再度ショーン・コネリーを説得した結果彼の再登板が決定して作られた「ダイヤモンドは永遠に」。殆どがアメリカで製作されており、劇中で登場する片輪走行はその後の伝統に。



■ロジャー・ムーア

制作年 タイトル 原題
1973 死ぬのは奴らだ Live and let die
1974 黄金銃を持つ男 The man with the golden gun
1977 私を愛したスパイ The spy who loved me
1979 ムーンレイカー Moonraker
1981 ユア・アイズ・オンリー For your eyes only
1983 オクトパシー Octopussy
1985 美しき獲物たち


ショーン・コネリーの復帰は1作のみとなり、3代目に指名されたのがロジャー・ムーア。そして「死ぬのは奴らだ」が製作された。彼は第1作の「ドクター・ノオ」の時にも指名されてはいたのだが、当時他の仕事に取り込んでいて受けられなかったという事実がある。彼が演じたボンドはそれまでのハードな部分が幾分か削られ、ユーモラスな印象が強くなっているが、アクションは健在である。また本作は唯一、007が操る種々の特殊装備の生みの親Qが登場しない作品。

原作のイアン・フレミングの遺作ともなったのが「黄金銃を持つ男」。「007は2度死ぬ」の続編で、原作通りに作られた作品はこれが最後。前作において展開された空飛ぶジェットボートによるボートチェイスに続き、AMCホーネットによる360度回転しつつ川を飛び越えるシーンなどアクションシーンに多くの見所を持っていた。また、N64で発売された『007ゴールデンアイ』にてこの黄金銃を扱うミッションがクリア後のエキストラミッションとして登場している。

記念すべき10作目、更にボンド映画化15周年記念の「私を愛したスパイ」。初めて3年のブランクを置いて製作されている。映画の規模は過去最大となり、目玉は劇中に登場する潜水艦を3隻飲み込むほどのスーパータンカー。浮上・潜水可能な水中要塞やボンドカーとして使用されたロータス・エスプリなど見所は多い。『007 エブリシング・オア・ナッシング』に登場する鋼鉄の歯の男、ジョーズも登場する。

前作「私を愛したスパイ」のエンドクレジットでは、次回作は「ユア・アイズ・オンリー」であると言われていたのだが、前作と同年にヒットした「スターウォーズ episode4」のヒットを受けて「ムーンレイカー」が製作された。今までも世界中を飛び回って任務を遂行してきたジェームズ・ボンドではあるが、今回いよいよ宇宙へ飛び出すことになった。しかも当時はまだスペースシャトルも開発中、といったご時世である。本作にも、前作と『007EoN』に登場するジョーズが登場し、スカイダイビングしながらの戦いを繰り広げる。本作の興行成績は記録的に高く、以後『007EoN』でも主役を務める5代目ジェームズ・ボンド、ピアース・ブロスナンが登場する「ゴールデンアイ」までこれを越えるものはない。

前作「ムーンレイカー」は行動範囲が宇宙へ広がったことに比例してかあまりにも大規模な任務となってしまった。それに対し、原典への回帰をコンセプトに作られたのが「ユア・アイズ・オンリー」。今回はシリーズの中でもガジェットに頼らず、格闘が多いのが特徴といえる。また、本作までMI6部長Mを演じてきたバーナード・リーが1981年に他界されているために、唯一Mが登場しない作品となる。また、本作に出演するカッサンドラ・ハリスは撮影中に後の5代目ジェームズ・ボンド、ピアース・ブロスナンと結婚式を挙げている。

1983年は異例なことに2本のボンド映画が製作された。「サンダーボール作戦」のリメイクにあたり、12年ぶりにショーン・コネリーがボンド役を務めた「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」。それに対して「オクトパシー」は核爆弾絡みのストーリーとなり、そのタイマーがセットされてからは非常にスピード感のある演出が特徴ある作品となった。

リメイク作となる「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」を除いては7作連続出演となったロジャー・ムーアの最後の作品が「美しき獲物たち」。また、第1作目からMの秘書マネーペニー役を演じてきたロイス・マックスウェルもこの作品を最後に引退している。シリーズおなじみとなったスキーチェイスに始まって、パリ市内、そしてサンフランシスコで繰り広げられるカーチェイスなど見所は多い。

こうして時は1980年代後半に入り、1983年にはファミリーコンピュータが発売される年代に突入しました。次回は4代目ティモシー・ダルトン、そして5代目ピアース・ブロスナン演じる007を扱います。
《》
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