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【GFF2003】 「ゲームクリエイター堀井雄二徹底解剖」レポート

ゲームビジネス その他

2日目のカンファレンスの目玉として堀井雄二氏と浜村弘一氏を迎えて「ゲームクリエイター堀井雄二徹底解剖」が開催されました。「過去 堀井雄二ができるまで」・「現在最先端ゲームクリエイターの作家ライフ」・「未来ゲームの置かれている状況の変化」という3部構成で行われました。

過去では、堀井雄二氏が如何にしてゲームクリエイターとなったのかという話がなされました。堀井氏は最初漫画家志望で上京して漫画を持ち込んでアシスタントにしてもらおうとしたのですがあっさり断られたそうです。そこでとりあえず大学に入ろうという事で早稲田に入学、漫画研究会に入ったそうです。そこで、早稲田の漫研に関する本を書くことなって、それが集英社との繋がりのはじまりで、その後セブンティーンに寄稿していたそうです。その後にジャンプに関わるようになり、最初はゲーム以外のグラビアページを担当していたそうです。エニックスのコンクールに入賞したという話では、当時編集長だった鳥島氏に取材に行けと言われて、ついでに「出すつもりはなかった自作のゲームを出していたら、表彰式の取材の時に自分の(テニス)ゲームが飾られていた」というエピソードが紹介されました。その賞で優勝したのが現在チュンソフト代表の中村氏で『ドアドア』で、そこから2人の付き合いが始まったようです。

この入賞がきっかけでエニックスのゲームを作る事になったそうです。「当時は1人で作ったものが商品として認められる時代だった」と話すように最初の『軽井沢誘拐案内』なんかは全部1人で開発したそうです。ADVなのに最後がRPGになるという変わったゲームですが「当時RPGに熱中していた」のが理由だとか。「当時はコンピーターを使うのは理系ばかりで自分のような文科系は少なく、独壇場だった」、「手ごたえはあった」と話していました。

堀井氏が最初にかった「マイコン」はアップル2で当時30万円近くしたそうです。何でも「家計簿もつけられるし凄いとおもった」そうな。プログラム言語のBASICを始めて最初はIf〜then(分岐)、Print(表示)、Input(入力)の3つの命令だけでADVゲームをつくり、必要になったら新しい命令を覚えるという風に上達していったそうです。堀井氏はいたずらっこだったので占いソフトを作って、誰が来るか分っているので「あなたは昨日〜をしましたね」というように表示される風にしたらみんな驚いた、というような話もされました。BASICでは速度が足りないということでアセンブラまで勉強したそうです。

「現在 最先端ゲームクリエイターの作家ライフ」では、『ドラクエ』に関する話がいろいろ出ました。『1』では容量が64kbしかなく「会話もモンスターも削った」そうです。堀井氏の気配りが見られる所では「『1』は城を出るまでに全てのコマンドを使わなければならないようになっている」という話も。『ドラクエ』を作る際には2-3行でテーマを決めて作るそうで、「『5』は真剣にゲームで悩まそう、『6』は2つの世界を行き来したら面白い、『7』は次は何を集めたら面白いかという事で、マップを集めたらどうだろう」と話していました。残念ながら『8』のテーマは聞けませんでしたが、「キャラが記号的だったこれまでから変わったけれど違和感無く鳥山先生の絵がゲームに溶け込んでいる」と話してくれました。

浜村氏の「ゲームは遊ぶんですか」という問いにはゼルダシリーズが好きと言ってディスクシステムの初代や『時のオカリナ』の名前を挙げていました。またつまった時などには『ファミコンウォーズ』をすると「すっきりして眠れる」という話も飛び出していました。今はGBASPでGBCの『ゲームボーイウォーズ』を遊んでいるのだとか。他にもオンラインゲームの『FF11』を1人で遊んでいるそうな。パーティを組むと3〜4時間掛かるので暇がないそうです。それでもかなり頑張って1人でレベル上げしているのですが、「トンボにも負けて経験値が減ってしまう」と話していました。そこで浜村氏「トンボのせいでゲームが完成するのが遅くなるんですね。削除してもらったほうが(笑)」と最前列に居たスクウェアエニックスの社員さんに。苦笑しながらうなずいてました。

未来では「1時間くらいで遊べる敷居の低いオンラインゲームを作りたい」という言葉もありました。「(今のオンラインゲームは)廃人でないと駄目」、「ゲームの中でこの人は凄いと思って、実際に会ってみると、、、」ときつーい浜村氏の言葉の後に堀井氏は「オンラインゲームと現実の英雄が反比例してる」と、とどめの一撃。会場からは良く言ったという感じで拍手も起こってました。しかしオンラインゲームに関しては面白いと評価しているようです。

「昔のゲームは本当にどうしようもないゲームが多くて、今のゲームは遊んでみればそれなりに時間を掛けて作ってあって遊べる物が多い」でも「昔は"暇つぶし"と"本当に面白いゲームを楽しむ"というスタイルがあったけど今は暇つぶしは携帯やインターネットに奪われた」、「手に取って遊んで貰うまでが大変」というような話もあり、そういう意味で『蚊』は凄いと堀井氏は褒めていました。ちなみに「どうしようもないゲーム」として浜村氏が「一番大きなキャラを出そうということで、最初から最後まで全部スクロールする大きさの竜をだしたゲームがあった」と話していましたが会場は完全にスルーしてました。

壇上に上がった2人も観客席も絶えずなごやかなムードで2人の本音のトークを満喫していました。やはり凄い人のトークは聞いていて面白いのです。


《土本学》

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